ネコ（私）と相澤さん (ページ2)

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桜が散って、緑が茂り、蝉が鳴くこの頃。

普通の人ならへっちゃらなこの季節

個性が猫だからなのか、私は暑くて暑くて

仕事どころじゃない。

｢Aちゃん、具合い悪そうね大丈夫?｣

『先輩、、猫は暑さに弱いんですよ。』

｢Aちゃん！暑さのせいか耳生えてるよ｣

『そのうち完璧に猫になっちゃいます。そしたら面倒見てください』

｢さぁ仕事仕事はかどるわ～｣

ヒドイ、この人、、涙

このままだと冗談抜きで猫になっちゃいます。

暑いからじゃなくてきっと具合が悪いと

人間と猫のコントロールが狂っちゃうんです。

水分補給をしながら見事に仕事をやり終え

フラフラになりながら帰る。

夏の季節の日課。

でも、今日はなんてったって運が悪いのよ

会社出る時猫になっちゃったから。

残業なんかしなきゃよかったよ。

人なら使える乗り物は一切使えないしね

ちょこちょこ歩いて帰りますか。

┈┈┈┈┈┈ ┈┈┈┈┈┈ ┈┈┈┈┈┈

お昼よりも夜はかなり涼しくて風が気持ちいい

でも具合が悪くてフラフラ。

この日は相当具合が悪いらしく、なんとなく

街灯の下にあったダンボールの中で休憩した。

遠くから声が聞こえる

“おい猫さんこんなとこで眠ってると風邪ひくぞ”

“猫さん起きてくれ”

“ここにいるのは合理的じゃないな”

男の人の声が聞こえる。
温かいな人の温度。

休憩どころか眠っちゃってたのか。

目を開けると、どこか知らない部屋にいた。

｢目を覚ましたか。おはよう猫さん｣

『ここはどこでしょうか？』

｢すまないな猫語は分からないんだ。でも俺の言葉が分かるのか？｣

私を撫でる男性は、ふんわりと笑った。

無精髭に肩まである髪の毛。

どこかで見たような。でも思い出せない。

そんなことを考えている暇じゃない。

フォームが猫なだけで私は人間なのよ。

『あの！！猫じゃないんですよ！！』

｢腹が減ったのか？｣

『お腹減りました。じゃなくて！』

ゴトッと音をたてて置かれた猫用の餌。
これを食べたら私のプライドは崩れる。
と思いつつ、猫にとってのご馳走は
今の私にとってステーキと同じくらい。

｢よっぽど腹が減っていたんだな｣

はい。美味しいです。