77羽 ページ38
・
・
月島のサーブから試合が始まる。それを青城の13番が拾って、弧を描いたボールが及川のもとへ返る。
及川は誰を使うのか、烏野の選手たちは身構え飛び込んでくるスパイカーたちの動きに注目する。観客席から見ていたAは及川のセットモーションの違和感に気づいた。
「セットじゃない、ツーです!」
Aが気づき、叫んだ頃にはもう遅い。及川によるツーアタックで、先制点を取られてしまった。青城の応援団が歓喜に沸く。
聞こえこそしないが、及川が烏野を挑発しているであろう光景が目に入った。それが悔しくて、Aは目を細めて更に眉もひそめる。
「あの白鳥さんにしては、気づくの遅いんじゃないのー?」
先程まで会話の聞こえていなかったというのに、及川のその言葉だけがしっかりAの耳に届いた。つまり、及川はわざとAに聞こえるように大きな声で言っているのである。
「あのヤロっ……。」
青筋をぴくぴくとさせ苛立ちを顔一杯に表すAの目には、こちらを見てほくそ笑んでいる及川が見えていた。
・
・
青城のサーブから始まったラリーが続き、日向のスパイクがレシーブであげられる。
再び及川の元にやってきたのだが、及川はツーアタックしますよ、と言いたげなほどの大げさなスパイクモーションに入っていた。
「(あの人があんなに乱れたスパイクモーションなんてありえない……けど、あの体制からセットアップなんてできるわけ……、)」
そう思い込んでいたが、及川は一気に体制を変えてトスモーションに入り、綺麗なトスを上げた。完全に及川にブロックが釣られていたため、スパイクはコートにたたきつけられる。
「(できちゃうのね……やっぱり異常だよ、あの人……。)」
・
・
・
649人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ラー油 - すみません たしか西谷さんの回転レシーブはローリングサンダーだと思います。 (2021年4月4日 8時) (レス) id: 0628ebf5e7 (このIDを非表示/違反報告)
Sacco - 47羽目にセットアップとなってますが、セッターではないでしょうか?突然申し訳ありません。とても素敵な小説ありがとうございます。これからも応援してます。 (2016年8月8日 14時) (レス) id: f404a711c2 (このIDを非表示/違反報告)
花宮幸ヤ(プロフ) - さっこさん» すいません!ありがとうございました! (2015年8月31日 21時) (レス) id: 0d803f7706 (このIDを非表示/違反報告)
さっこ(プロフ) - 朝日になっています (2015年8月31日 20時) (レス) id: 92e8049c9f (このIDを非表示/違反報告)
花宮幸ヤ(プロフ) - 人生オワタな奴さん» そうですか、よかったです!いえいえ、大丈夫ですよ!私は結構誤字が多いので、これからも見つけたらよろしくお願い致しますm(._.)m (2015年8月22日 16時) (レス) id: 0d803f7706 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:赤兎リエ輔 x他2人 | 作者ホームページ:http://nekomoti
作成日時:2015年8月13日 10時