118羽 ページ33
・
・
「あ、またスパイク練習ですか!?」
妙に不穏な空気が流れていたその場に、犬岡の明るい声が響いた。続いて夜久、福永ら音駒メンバーがやってくる。
「おいリエーフ、転がってんじゃねぇ。レシーブ。」
「げっ!夜久さんっ!」
「げ、ってなんだ!!」
賑やかになった館内で、月島は「じゃあ僕、お役御免っぽいんで失礼します。」と言い放ち出口へ向けて歩き出す。黒尾の制止の声も聞かず、そのまま館内を後にした。
「なんか地雷踏んだんじゃないスか、黒尾さん。」
「えっ、」
「おっこらっした〜。大失敗じゃん。挑発上手の黒尾クン?」
木兎の挑発の言葉。いつもならうるせぇと食って掛かるところだけれど、黒尾は神妙な面持ちで呟いた。
「だって思わねぇだろ。」
「何を?」
「翔陽は確かに脅威で何をするか分からないけれど技術も頭脳も身長もない。それなのに技術、頭脳、身長の全ての面で勝っている月島が翔陽を対等以上に思っていること……ってところですか?」
呆れたような笑みを浮かべたAが黒尾に言うと、黒尾はそうそう、と苦笑いを浮かべた。眉尻を下げ、徐々に小さくなっていく月島の後ろ姿に視線をやりながらAは続けた。
「……なんでか消極的なんですよね。その癖結構負けず嫌いっていう偏屈っぷり。……といっても、今の月島は"負け"よりも"ルックス"に拘っちゃってる節があるんですけどね。」
足元に転がっていたボールを救い上げ、手元でボール遊びを繰り返しながら呟く。遠回しな言葉に「ん?どーゆーことだ?」と木兎はぽかんとした顔で首を傾げた。そんな素直な反応にくすりと笑って、Aは手に持つボールを思いきり高々と上げ、それをわざとキャッチしないで落とした。
一度大きくバウンドしたボールは、そのまま威力を弱めて遠くに転がっていく。
「こうなることをしない、ってことですよ。」
やれやれといったモーションでAは呟く。それでもまだ木兎はまだイマイチ掴めていない様子で首どころか腰から体を傾けている。そんな彼の様子を見て、補足するように赤葦が説明した。
「つまり、絶対成功するラインでしか挑戦しないって事ですよ。」
「無理して高く上げて取れなくなるくらいなら、初めからそんなことしない、っつーことだな。」
「はい。」
木兎も赤葦と黒尾の補足説明でやっと理解した様で、「なるほどね〜。」と呟いた。
・
・
516人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
希(プロフ) - 130羽の三大が三台になってます。たぶん三大だと思います。 (2017年7月18日 21時) (レス) id: b9f12d00ff (このIDを非表示/違反報告)
光希(プロフ) - ページ29の"低空飛行"が"低空引こう"になってますよ! (2016年12月26日 17時) (レス) id: 476a1e2e74 (このIDを非表示/違反報告)
花宮幸ヤ(プロフ) - ミッキーさん» 長い間レスできずに申し訳ないです…。そちらの方を長い間更新止めててすいませんでした(;-;)これからコツコツがんばりますので、これからも見ていただけたら幸いです(´×ω×`) (2016年8月3日 13時) (レス) id: 16a4b4f29a (このIDを非表示/違反報告)
ミッキー - テニスの王子様の更新をしてください!楽しみにしてます。 (2016年7月24日 19時) (レス) id: f565134c71 (このIDを非表示/違反報告)
赤兎リエ輔(プロフ) - 汐李さん» ノンノンノン!← 赤葦、木兎さん、リエーフ、夜久さんが好きなのでそれぞれ字を取りました(*´ω`) (2016年3月22日 23時) (レス) id: 9a5c590feb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:赤兎リエ輔 x他2人 | 作者ホームページ:http://nekomoti
作成日時:2016年2月27日 3時