恋人ごっこ ２ 【角名倫太郎】

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この施設の作りは、

他の家とそんなに変わりはなくて、

まあいうなら広さは別格だけど。



ちゃんと施設で育った子が普通の家に戻れるように

玄関だって一緒だし、

一人一人に部屋が与えられてる。



お風呂は男女別の２つあるけど、

特に変わったルールがあるわけでもない。




『これみんなにお土産だから食べてね』



そう伝えてみんながお土産に夢中になってる間に

よしえさんの元へと向かい、


『２日間、お世話になります』

と頭を下げる。



「Aちゃんの顔が見れてすごく嬉しいわ。

元気にしてた？」



『はい、おかげさまで。

おせち作るのわたしも手伝いますね』



「本当？ありがとう」



手を洗い、机の上を見れば

もう何品か出来上がった料理が置かれている。



相変わらず美味しそうで小さい頃から何度も

見てきたし手伝って来たから、

まだできてない料理を作るために冷蔵庫をあけて

食材を取り出していく。




「そういえば秋紀くん、そっちにいるかしら？

上の棚にしまってある重箱取ってもらいたくて」




『多分いるはず…


秋紀〜』



そう言って呼んでも返事はなくて、




「秋紀くん、玄関で人と喋ってるよ」




そう教えてくれた子にお礼を言って


誰と話してるんだろ？来客かな？


なんて思いながら玄関へと足を進める。



「〜…」


なにか喋ってる声が聞こえて、

顔をひょっこり出せば


そこにいたのは先輩だった。



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