初めての一目惚れ【及川徹】 (ページ10)

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それから毎日話すようになり、

お互いの学校での生活をよく話していた。

まあ特に俺の部活の話だけど。

　
　
『Aちゃんってさ、

休みの日はずっと家で練習してるの？』

　

「ずっとはしてないです。

ずっと弾いてると気分が乗らなくなったりして、

ピアノが嫌にならないように
気分転換に外出たりします」

気分転換ねえ～。

『あのさ、よかったら今度の日曜
俺とデートしない？』

確か来週の日曜日は部活が午後から休みだったはず。

いつも彼女に会うのは平日の学校に行くまでの
この時間だけ。

その時間ももちろん楽しくて好きだけど
もっともっとAちゃんを知りたいと思った。

けど誘えば彼女はフリーズして、

「え…？」

　
の一言だけ。

　
『もし嫌ならぜんっぜん大丈夫だから！』

　

流石に誘うのは早すぎたと焦りながら、

こっちも必死になってしまう。

「…嫌とかじゃないです！
わたしそのデートとかしたことなくて…」
　
　

『…本当？』

その言葉に耳を疑うのも当然。

だってこんなに可愛い子がデートしたことないとか、

奇跡すぎるんじゃない？

　
　

「本当です…。

なので私、緊張して話せないかも…しれないです」

　
　

『可愛すぎでしょ…』

そう言えばもっともっと顔を赤くしていく。

それから俺たちは来週の日曜日に

出かける約束をした。

　
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