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それから彼女が乗るはずだった
電車が発車していくのを2人で見つめながら、

この場をどうしようかと考える。
 

 
「あ、私のことは気にせずどうぞ行ってください」



なんて言われても、

これはもうチャンスだとしか言えない。
 
 
 
 
『電車来るまで少し話しない?』



そう聞けば彼女は不思議そうな顔をしながら、
ただ頷いて、俺たちは近くのベンチへと座る。



『本当にこれありがとうね。

部活のシューズだから助かったよ』



俺は手に持ったシューズの袋をひらひらさせながら、
彼女にもう一度お礼を言う。
 
 
 
 
「部活何されてるんですか?」
 
 


『あ、自己紹介してなかったね。

青葉城西高校3年でバレーしてる
及川徹って言います。よろしくね』
 
 

そう言うと彼女はキラキラとした目で見つめてくる。



「私は花野Aです。

今、1年です」


名前までも可愛いとはどうしたものかと思い、

Aちゃんはそれから高校名も教えてくれたけど

知らないとこだった。



『音楽学校行ってるんだ』



ただ分かったのは学校名に音楽ってついていて、

彼女は県外の音楽関係の学校に行っていること。



「わたし、小さい頃からピアノしてるんです。

だからそのバレーとかしたことなくて」



そう言って少しだけ悲しそうな顔をする彼女を見て、

そういえば昔小学生の頃クラスにもいたなと考える。

体育の球技関係全部見学してる子。


だからさっきバレー部だって言ったら
目をキラキラさせたわけね。


クッソ可愛いな。


そんなことを思っていると


まもなく3番線に電車が到着いたします。


とホームに流れる放送にAちゃんは立ち上がり、


「お話してくださってありがとうございました!

楽しかったです!バレー頑張ってください」



『俺もAちゃんと話せて楽しかったよ。

ありがとね』


彼女はそれから頭を下げて、来た電車へと
乗っていった。
 
 
これが初めて俺たちが会話をした日。



 

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さ。 - めっちゃ面白かったです!! (2020年6月13日 1時) (レス) id: 8674ff81bd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:mai | 作成日時:2020年5月20日 20時

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