初めての一目惚れ【及川徹】 (ページ42)

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次の日朝起きると、頭を撫でられている感じがして

暖かい…

そう思って目の前にある暖かい何かに頬をさする。

すべすべだ…

でも匂いを嗅いだ瞬間、
すごく知ってる匂いがして、私は目を開けた。

「おはよ、A」

『…肌？え？』

目の前には及川さんがいて、
私が頬をさすっていたのは及川さんの肌だった。

「体、大丈夫？痛くない？」

その一言と私たちの格好で
昨日の夜の出来事がフラッシュバックする。

『お、及川さん、おはようござい、ます…』

急いで私が起き上がろうとすると、

「昨日みたいに徹って呼んでくれないんだ？

可愛かったんだけどなあ」

及川さんは意地悪そうに笑い

時間が経てば立つほど、頭も起きて
昨日の出来事が鮮明に思い出してしまう。

本当に及川さんとしちゃったんだ。

『…恥ずかしすぎて死んじゃいそうです』
　

「可愛いなあ、ほら向こう向いとくから
着替えておいで。

行きたいとこ混んじゃったらあれだし」

そう言って私の頭を撫でる及川さんの言葉に頷き、出かける準備をした。

2日目はいろんなところを巡って、

たくさんの思い出を作る。

『及川さん！写真撮りましょ～！』

用意してる時は恥ずかしくて今日喋れるかな

なんて考えていたけど、
恥ずかしい気持ちを忘れるくらい楽しんだ。

『なんか寂しいですね、

あっという間だったな…』

2日目は昨日以上にあっという間で、

帰る飛行機に乗る頃にはテンションも落ちてしまう。

『そういえば及川さんももう卒業式ですね、

寂しいですか？』

飛行機の中で聞けば、

「うん、すっごい寂しい」

そう言って寂しそうに微笑む及川さんを見て

『わたしがいますよ』

そう言って手を握る。

私たちの歯車が狂うまであと5日──…

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