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春高予選準決勝、ついにその日が来て


試合前の練習からある一定の人に話しかけていてすぐにその人がトビオちゃんだというのがわかった。


『…同じセッターなんだ』


そして試合が始まれば、及川さんの雰囲気は変わる。


だけどいつも以上に集中力がすごくて

ああ、怖いそう思った。


試合は互いに譲らずに一進一退の攻防で

最終セットへと流れ込み

及川さんがコート外へのボールを追いかけて、

トスを上げてまた立ち上がる時、

私の目には大量の涙が溢れていて、


お願いだから、勝たせてください

もっともっとバレーをしてるところを見たい

だからお願い、勝たせて


そう願ってもその願いも惜しくも叶わず
青葉城西は準決勝敗退となった。


そして同時に引退が決まった瞬間
それを拒否するかのように頭が割れるくらい痛い。


それから試合後スタンドへと挨拶に来る前に、

岩泉さんが泣き、
及川さんも悔しいはずなのに涙を流さず

キャプテンとして最後まで責任を全うしようと

背中を叩く及川さんを見て

涙を頑張っても止めようとしても溢れてしまう。


本当に本当にかっこよかったって

3年間お疲れさまでしたって

今すぐに抱きしめて伝えたいけど

今日は及川さんたち3年生の時間を
大切にしてほしいから会場を出るが

会場を出ても涙が止まらなかった。


家に帰っても気になるのは及川さんのこと。


大丈夫かな、

…連絡してもいいのかな

そう考えながら
携帯を手に取ってはおいての繰り返し。


それを何回も繰り返してると
下からお母さんの声が聞こえる。


『なにー?』

「徹くん!来てる!」

その声を聞いて玄関へと急いで向かえば
目元が赤い及川さんがいた。


2人で部屋へと行き、
どう声をかけていいかわからない私はただ黙って

及川さんが座るのを見つめる。


「試合来てくれてありがとうね。

あー、3年間あっという間だったな」


そう言って天井を見上げる及川さんの言葉で

本当に終わったんだって実感する。


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さ。 - めっちゃ面白かったです!! (2020年6月13日 1時) (レス) id: 8674ff81bd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:mai | 作成日時:2020年5月20日 20時

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