初めての一目惚れ【及川徹】 (ページ33)

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Aside

無事演奏も終わり、

先生からのアドバイスを貰い

急いで及川さんの元へと向かっていると

廊下で通り過ぎる女子生徒達の話し声が耳に届く。

“さっきすごいかっこいい人達がいた“

“身長みんな高かったよね“

その瞬間、及川さん達はあっちなんだと思った。

急いで向かえばすぐに及川さんを見つけて、

ずっと会いたかった人を目の前に

『及川さん！』

そう叫んでわたしは駆け寄る。

その声に反応した及川さんは振り向いた瞬間、

驚いた表情をしてわたしの肩を掴む。

「なんでその格好のまま？！」

『1年生は着替えるの教室で、

それに及川さんに早く会いたいですし…』

そう伝えれば及川さんは頭抱えて

「こんなことならブレザー着てくればよかった

ベスト着る？なんなら俺シャツ脱ごっか？」

と私の肩を揺らしながら聞いてくる。

「花、演奏すごかったぜ」

「俺もそう思った」

「おつかれさま」

及川さんの後ろには、
岩泉さんと花巻さんと松川さんもいて、
わたしはお礼を言う。

「ちょっとお辞儀はしなくていいから！

早く着替えておいで！」

及川さんにそう言われて、

着替えに行こうとした瞬間

どこからか及川さんを呼ぶ声が聞こえる。

声がする方を向けば、

及川さんと同じ制服をきた3人が
こちらへとやってきて

「ちょっとA、後ろにいて」

そう言って隠されて、

私は訳がわからず岩泉さん達を見ると

3人とも笑ってる。

「ちょ、どうして隠すんですか」

「彼女見せてください」

「今はダメ！格好がダメだから！

布の面積少ないの！」

その会話を聞いて、

及川さんの後輩なんだと分かった。

「確かに布の面積少ないな」

「岩ちゃん共感しないで！」

「特に背中」

「背中？！」

そう言って私の後ろに回り込んだ
及川さんは背中を見たあと

すぐに私の頬を掴んでくる。

多分怒ってるよね、この表情は…

「Aちゃん？

ちょっとこれはダメなんじゃない？」

『ダメですか…？』

このドレスは前は普通だけど後ろの背中が

開いていてかわいいと思って買ったのに、

「ダメ、でも写真は撮る」

そう言って及川さんは、

岩泉さんに携帯を渡してツーショットを撮ってもらう

それから皆さんとも写真を撮り、

ワイワイ楽しんでいると文化祭終了の放送が流れて

「今日一緒に帰りたいし、

早く着替えておいで」

『すぐ着替えてきます！！』

急いで教室へと向かった。

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