初めての一目惚れ【及川徹】 (ページ31)

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及川side

あっという間に夏が終わり

3年最後の秋にただただ焦りを感じつつも

最近はAも俺もバタバタしていて会えていない。

『岩ちゃん～明日なんだけどさ』

着替えながら岩ちゃんに話しかければ

「明日？なんか用あったか？」

…本当に岩ちゃんって子は。

『Aの文化祭、行くって言ってたじゃん！』

「あー、そうだったな。

制服で来いだろ？」

『流石に部活後に練習着で行くのもなんだしさ』

「明日、花ちゃん文化祭なんだな」

『そうそう～
なんか平日の今日は家族だけらしくて

明日の土曜は外部者もOKなんだって』

まっつんに答えながら、

着替え終わった俺は鞄を肩にかける。

次の日の部活後、

『なんで岩ちゃん以外も制服なのさ…』

ダッシュで着替えていると負けじと着替えてくる

岩ちゃん以外の5人。

「「そりゃ文化祭があるって聞けば行くだろ」」

そう答えるマッキーとまっつんを指差して

『マッキーとまっつんはまだわかる！

なんで矢巾と国見と金田一も制服なわけ？！』

「松川さんに音楽学校だから
女子多いって聞きました」

『矢巾…本当にお前はブレないね…

で国見ちゃんと金田一は？なんで？！』

「普通に及川さんの彼女気になるんで」

「矢巾さんに誘われました…」

そう答える2人に頭を抱えながらも

ここまできたら連れ行くしかないと腹を括る。

初めて来たAの学校は広くて、

男子の高校生がやたら多い。

多分、いや確実にナンパしに来てるんだろう。

『なんか適当に食べながら時間「可愛い子発見！」

時間でも潰そうかと言おうとした瞬間、

矢巾は金田一と国見を強引に連れて去っていく。

『もう放っておいていいかな？！』

「帰る時連絡入れたら大丈夫だろ」

それから俺たちも適当に食べながら、

時間になるまで過ごす。

「演奏会何時からだ？」

「へえ～演奏会あるんだ。さすが音楽学校」

確かね～と言いながら
Aからのメッセージを確認する。

そこには14:30と書かれていて、

近くの時計を見ると14:25をさしていた。

『時間見間違えてた！もう始まる！！』

そう言って舞台となるホールへと走って目指せば、

中にはもう人だらけ。

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