初めての一目惚れ【及川徹】 (ページ30)

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「俺はすごくAが好き」

思っていた言葉と違い、

わたしの頭にはたくさんの？マークが浮かぶ。

「初めて自分が好きになった彼女だから
ちゃんと大切にしたい」

　

まっすぐ私を見つめるその目を見ると、

嘘なんかついていないんだって安心する。

「…けどちょっと我慢の限界かも」

そう言うと及川さんは
わたしのおでこにキスをし

次にこめかみにほっぺにと順々にキスをしていき、

気がつけば唇以外のいろんなところにしてくれる。

だけど絶対唇にはしない。

『…どうして唇にはしてくれないんですか？
してほしいのに』

正直に伝えれば、

及川さんはすぐに頭を抱えて、

「～～っ、どうしてそうすぐに人を煽るかな？！」

『だって及川さんのこと好きだから』

そう言うと、すぐに唇に感触がして

わたしは嬉しくて微笑んでしまう。

「好きだからね、ずっと」

『わたしも大好きです』

それから何度もしてくれて、

幸せな気持ちに浸りながら
何を焦ってたんだろうと考える。

昔は昔で、今は今。

今、付き合ってるのはわたしで

こんなにも愛してくれているのに

何焦ったんだろう。

ただただ幸せで、

この時の私はまだ何も知らない。

当たり前だって思ってた日常は
当たり前じゃないってことを。

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