元彼と結婚しました【五条悟】２ -完結-

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指輪を見ながら呆然とするAはとても可愛くて


夢だと思っているかと聞けば

ゆっくりと頷くAの頭に手を回して


キスをすればAは

今だに信じられないと言った表情で話し出す。

　
　

「で、でも悟さんホテルであと少しって…」

　

あの状況で話したって

ムードの欠片すらなかったことや

指輪を持ってきていなかったこと

　

そしてもちろん抱きたかったことも伝える。

　
　


それでもまだ呆然とするAに
　



『僕は１０年前、Aを幸せにするつもりだった。
　

周りを幸せにするために

自分を犠牲にしてでも頑張るAを
　
誰よりも幸せにする、


そう思ってたのに、いつしか


Aを守れず、傷つけるくらいなら

手放した方がマシだって思うようになった。

　

だけどあれからずっと後悔してて

好きじゃなかったことは、一度もないよ』

　


“ 別に最初からお前のこと好きじゃなかった “

あの言葉を否定するように
　
　


１０年前のあの日、

振った日の真実を話せば涙を目に溜めて

じっとこっちを見てくるAに


他に何か聞きたいことはないか聞く。
　

　

「…シェリーの意味って？」


『それは内緒』

　

そう答えたのは、

高専時代の僕が言ったと思えば

似合わないし、恥ずかしいから。

　


僕が笑えばAも笑って
　


『だけど一つ言うなら、

今もその意味は変わってないってこと』

　

Aは意味を知らないだろうと伝えた言葉は

　
　
「私もあの時からずっと悟さんと一緒の気持ちです。
　

シェリーって“ 愛しい人 “って意味ですもんね」

　


バレていたことを初めて知って、

あからさまに茶化してくるAに
　
　


『そうだよ、あの時からずっとAは

僕の愛しい人だからね。


だからこれからもずっと

Aのこと愛し続けるよ』



『私だって悟さんのこと、

ずっとずっと愛し続けます』
　
　


照れそうな気持ちを隠すために抱き締めて、

　


『何があっても僕が必ず守るから、信じて』



「もう絶対、悟くんの側からいなくならない」

　


守れなかったあの日の約束を

また１０年後に再会をしてもう一度する。






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