元彼と結婚しました【五条悟】２ -完結-

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それから考えていた通り、

半年間はあっという間で

Aの誕生日の日がやってくる。

　
　

その日は残業しないよう真面目に仕事をこなして

Aを迎えに行こうとすれば

携帯が鳴ったと同時に嫌な予感がした。

　

もうこのまま無視していいかな
　
　

そう思って画面を見つめていると

一向に鳴り止まない電話に嫌気がさして

携帯を耳に当てると案の定、緊急事態らしい。
　
　
　

『別に僕以外でよくない？』



“ 呪霊と同等の呪術師を。

今現在、特級クラスでは五条さん以外

みなさん出払ってしまっています “

　


『今日さ、すごく頑張ったわけ。

しかもその感じだと土日も出ろとか言うんでしょ』

　


そう言えば黙った伊地知に


絶対に行きたくない気持ちが勝って

ため息を吐きながら電話を切る。




日頃の行いは良いはずなのに

Aとの約束に限って急な仕事が入るし、



そう思いながらもAに電話をかければ

まだ仕事中なのか繋がらなくて


すぐに折り返しの電話が入った。

　
　

“ あ、すみません。

電話出られなくて…、

今、終わりました “
　
　

彼女は約束通り、

定時で仕事を終わらせてくれたのに
　



『A、本当にごめん。

ちょっと僕が行かなきゃいけない仕事があって、

そのまま土日は出張になりそう』

　

“ わかりました…

今日１時間だけ外出てもいいですか…？

何かあったらすぐ連絡しますし、

終われば伊地知さんに迎えに来てもらいます “

　

　
せっかくの誕生日に

行きたいところがあると言われて

約束を破った僕がダメだなんて言えるはずもなく、

何かあれば連絡することを条件に

Aが出かけることを承諾する。

　
　

それから電話を切ると
　
　
『…悲しい顔してるんだろうな』


　
ポケットに手を入れて

取り出したのは高専時代に撮ったAとの写真と

今日この日のために用意したプレゼント。
　
　


伊地知の迎えなんて待ってもいれず

現場へと向かう。
　
　

時間かけずに祓えば、

まだ時間的にも余裕はあるだろうし

日が変わるまでにAに会うことは可能だろう。



会えたらすぐに謝って、

おめでとうと伝えようと心に決める。



　


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