元彼と結婚しました【五条悟】２ -完結-

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『結婚はさ、案外いいよ。


その人のために頑張れて、

無条件にその人の側にいれる』

　

「五条さんの口からその言葉が聞けるとは、
　

…最後に一つ聞かせてください。


呪術師である以上、私達は命をかけて祓う。

誰のために命をかけて頑張るのでしょうか」
　
　

その言葉は傑の本心だったであろう言葉で

あの時、僕は傑の気持ちに

気付かないまま責め続けた。


僕がなんて答えたら彼らは納得するんだろう。
　

正直、この問いに答えはないし

個々の考えが答えになる。
　

そう思いながらも、



『僕は仲間やAが悲しまないよう

ちゃんと生きて帰って来られるように

　
そして僕が最前線に立つために祓い続ける。
　


だからさ、七海に守りたい大切な人ができるまで

僕らのために

…灰原のために頑張ってよ。


自己犠牲をしろっていう意味じゃないよ。

自己犠牲ってのは、

しようと思ってできるものじゃなくて

気づいたらしてるものだろうからね。




ってわけであそこで寝ていい？』
　


「…それも一理あるかもしれません。
　

ですが、寝る件については

全く答えになっていませんね」



『僕は七海の大切な人、代理だよ！？』

　

それからしばらく七海と話して

結果断られた僕は自分の部屋へと戻る。



Aはこっちに背中を向けて寝ていて

そっとベッドに入り込み、彼女の髪を撫でていると


「んー…」


…起こした？
　

寝返りを打ったAは抱きついてきていて

自然とため息が出る。

　

だから七海に言ったじゃん！

これだから無自覚は怖い、
　


そう思いながら少し下に目線を移せば

すやすやと眠るAに
　

自然と笑顔になって顔にかかっている髪を

彼女の耳にかける。



そのまま腕を回して抱きしめると

あまりの懐かしさと温かさに

夜風に当たり、覚めたはずの眠気がすぐに襲った。



『絶対に守るから』

　
大切な人を守るためなら

僕は手段を選ばないと再確認する。




翌朝、ガサガサと音がして

少し目を開ければAが必死に腕から抜けようと

頑張っていてそれを阻止するために

グッと腰を引き寄せた。



狸寝入りをしていれば、

Aは諦めたのか僕の頬を撫でたり

髪を触ったり好き放題していて


朝から可愛い生き物に心臓がグッとくる。
　


てかもうずっとこの時間で良くない？

　


そんなことを考えているとリビングからの物音に

悠仁たちがいることを思い出す。

　


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