元彼と結婚しました【五条悟】２ -完結-

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「だから、さっきAに

傷を負わせようとしたのも僕と敵対する呪い。
　

そんなこと急に言っても信じられないだろうけど」

　

『…信じます。

悟さんが言った言葉は全部信じます』

　

そう言って悟さんの目を見つめて答えると

悟さんは手を伸ばしてわたしの頬を撫でる。



「…危険な目に合わせてごめん」

　


そう言って悲しそうに謝られた時、

思い出すのは高校生の頃


“ 元気でな “


とわたしと別れたときの悟さんの表情。
　

　

『…悟さんはまたそうやって、

わたしのそばからいなくなっちゃうんですか？
　
　

またわたしの前から消えるんですか…？』



「僕は…」



『わたしは悟さんと一緒にいたいです。

ずっと昔から好きなままで今もずっと好きだから』

　

もう振られたっていい。

離婚したっていい。


だけど最後くらい自分の気持ちを伝えたい。
　
　


野薔薇ちゃんから


“ もしいま再会したらどうします？ “


って聞かれた時、わたしは答えた。
　


“ …ちゃんと好きって伝えたいかな “ って。
　


それが本心なはずなのに、

ずっと逃げ続けて、自分自身に嘘をついて
　


もう離婚することが決まってる以上

言ったって言わなくたって結果は同じだと思うから。


　

『離婚が決まっているのに

こんなこと言うなんて馬鹿げてるって

自分でも分かってます。


でも、もう１０年前みたいに頷くだけじゃ

ずっと後悔すると思うから』

　


その時の悟さんの表情は、

今まで見たことないくらい優しい表情で



「初めてだね、

Aが僕に気持ちをぶつけてくるの。


　

　
…僕だってAが好きだよ。

離婚だって最初からする気なかったし、

もう手放す気なんてない。


この先だって僕がずっと守る」

　
　

そう言って目の前に出されるのは

紺色の小さな箱。



『これって…』
　


出されたのは指輪で、

悟さんはわたしの左手につけると

　
　
「もう結婚してから半年が経ったけど…」

　
と笑いながら指輪をなぞった。


　
　


「ずっと僕のそばにいてほしい。


絶対に傷つけないし、守り抜くから」

　
　





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