転校生は稲荷崎の元マネージャー１ (ページ38)

今日:11 hit、昨日:46 hit、合計:618,768 hit

○38 ページ38

・

遠征から帰ってきてから

影山くんと日向くんは２人で練習をしなくなった。

　

　
　
練習中も静かで、

なんだかすごく寂しく感じてしまう。

　

　
「なんか静かだよな」

ふと隣に立った菅原さんがそう呟いた。

　

鳥養監督曰く

日向くんは学校外で

特別なレッスンを受けていて、
　

影山くんはひたすらトスの練習を

学校でしているらしい。

　

この２人がいい意味で火種になったのか

個々に自主練習も活発に行われ

あっという間に３週間が経ち、

夏休みに入った。

夏休みに入ってすぐの今日、

夜中にここを出て

朝方には森然高校へ着く予定みたい。

　
　

そわそわしている日向くんと影山くんをみて

やっぱり彼らは似たもの同士なんだと思う。

“ 相棒 “

その言葉が似合う２人は、

最近徐々に練習も一緒にしたり

言い合いしたりする場面もまたみれるようになった。

「A先輩、どうかしましたか？」

谷地ちゃんに心配そうに顔を覗かれて

　

『ん？』

「笑ってるなって思って」

『あの２人って案外すごい絆があって

お互いがお互いを信頼しきってるんだろうな
　
　

って思ったら前の学校にいたチームメイトと

そっくりだなって思って』

「え…日向と影山くん達みたいな人って

この世の中にまだ存在するんですか…」

　

谷地ちゃんの言葉にまた笑えてきて

眠気も覚めちゃったと言いながら

バスへと乗り込む。

・
　