転校生は稲荷崎の元マネージャー１ (ページ2)

今日:29 hit、昨日:30 hit、合計:618,740 hit

○2 ページ2

・

　

この２人の喧嘩は日常茶飯事で、

兄弟のいないわたしは

最初の頃、本当にどうしたらいいのか

わからなかったけど

２年生になればもう慣れたもの。
　

「こうなったら第三者に決めてもらおや！

A！どっちが悪いと思う？！」

　

「おい！あほサム！

Aに聞くのはずるいやろ！

そんなんお前の肩もつに決まってる！！！」

侑くんが治の肩持つって言ってるのには、

私が治だけを呼び捨てにしているから。
　

１年生の時からクラスが一緒で、

なにかと仲も良くて、

侑くんと治って呼んでる。
　

　

『そんな…治の肩持とうなんて思ってないよ。

その場にいたわけじゃないしわからない』

　
　
ていうかそもそもテレビが原因なら

２人とも悪いんじゃ…？

って思うけどそういえば酷くなることは

目に見えてわかるから心に留める。
　
　
　
　

IH終わってもうすぐ春高の予選が

始まろうとしてるのに

要の２人がこんな状態だと困ると思いつつ、

　

『今日帰るまでに仲直りしないと、

家に入れてもらえないんじゃ…？』

　

そう言うと２人同時にハッとした表情をする。

子どもにとってお母さんは絶対的な存在で

怒ると怖いって治が言ってた。

　

「…そういえば今日カレーやったな」

「お前はそうやって飯しか頭にないんか」

「飯は大事やからな、

家に入れてもらわれへんかったら

飯が食われへん。

それだけは勘弁や」

「まあそれもそうやけど」

　

『…もうせーので謝ったら？』

そういうと少し納得のいかなさそうな２人だけど

黙るということは

賛成ということなんだろう。

『北さん、お願いします』

「ほら、向かい合いや。

いくで、せーの」

「「すんませんでした」」

・

　