173 月のカクテル ページ28
中村side
来たときとは違い、Aの顔色は明らかに顔色が悪くなっていた。俺らが想像していた以上に彼女は緊張していたんだ。
ホテルのロビーのソファに座らせ、買ってきたお水を1口飲ませる。心做しか顔色は良くなってきたみたいだった。
「どうする？帰る？」
彼女は首を横に振り、俺に目を見つめて言った。
『私をパーティから連れだして。』
俺はAの手を取ってパーティ会場を出た。
外に出ると日は落ち切っていた。それに反して目に入ってきたのは色とりどり輝くネオンの光だった。
「あぁ、ここ遊園地の隣だったね。」
『ちょっと行きましょうよ。』
Aはさっきまでの体調不良が嘘だったかのように復活し、今度は俺の手を引っ張った。
夜の遊園地は昼とはまた違って幻想的だった。
どこかの夢の国行くよりも。
ピエロの人形や誰もいないミラーハウス、回り続けるメリーゴーランド。
楽しいはずの遊園地がすこし不気味に感じる。
『ねぇねぇ、あの悪魔のDJを見に行きたい！』
「はいはい、走らない。」
子供のようにいろんな所へ行こうとする彼女を追うのに必死だった。
そして何故だろうか。このままここで彼女とはぐれたら二度と会えなくなる、そんな気がした。
「A、少しお水買ってくる。ここから絶対動き回らないでね。」
『はあい！』
悪魔のDJに夢中な彼女を置いて自販機に行くと見たこともないドリンクが並んでいた。
『
『
『月のカクテル』を購入しAのもとに戻ろうとするとパレードが俺の前を横切った。あまりに煌びやかだった。子供から大人までが足を止め、目を釘付けにさせる。
『ねえ、中村さん！』
気付いたらとなりにはAがいた。
『もう！パレードのお姉さんに見とれてたでしょ！』
ぷんぷんと擬音が見えるような怒り方をするAは遊園地のどんなギミックよりも可愛かった。
「そんなに怒るなって。」
皆はパレードに夢中で誰も俺らの事なんか見ていなかった。俺は人目を気にしてキスをした。
Aは少し驚いていた。
『な、え、どうしたんですか。』
「なんでもない、人も増えてきたしそろそろ戻ろうか。」
パレードに集まってきた人混みをかき分けて出口を目指す。この遊園地に彼女を連れ去られないように、彼女の手を強く握った。
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怪盗アイ(プロフ) - ハルさん» 本当に嬉しいです(；；)ありがとうございます！更新頻度はかなり低いですが気長に待ってくださればと思います！ (2022年3月21日 12時) (
レス) id: aedc1f8497 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - こんにちは！初めてコメントします！！怪盗アイさんの作品どれも大好きです！これからもこの小説応援しています！！更新楽しみにしています！ (2022年3月16日 21時) (レス) id: 7e07349c9e (このIDを非表示/違反報告)
怪盗アイ(プロフ) - アオイさん» アオイさん、コメントありがとうございます。現在最新話の執筆に向けて前のお話の修正から進めております。またプライベートの兼ね合いがある故もう少し更新にお時間がかかってしまうかもしれません。しばしお待ちいただければありがたいです。 (2022年1月4日 12時) (レス) id: aedc1f8497 (このIDを非表示/違反報告)
アオイ - 早く続き読みたいです！アイさんの小説ホント好きです〜！ (2022年1月4日 10時) (レス) id: b03123f166 (このIDを非表示/違反報告)
アオイ - 早く続き読みたいです！！アイさんのペースで頑張ってください！(いつも仕事の励みになってます！) (2021年12月28日 12時) (レス) @page8 id: dc664a3ce7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：怪盗アイ | 作成日時：2020年12月6日 2時
