167 Prologue ページ22
『小野さん、わざわざごめんなさい。』
「気にしない気にしない。むしろこんな遅い時間に一人で歩かせる方が心配だよ。」
Aは明日提出の課題に必要なものを買いそびれたらしく、夜も遅いのに一人で出ようとしていた。帰宅中だった俺は家の前でAと会い、そのまま一緒に買い出しに行くことになった。
『小野さんと二人でお出かけ、久しぶりだな〜。』
るんるんという擬音が見えるような足取りをするA。可愛い。
普段は学校に行っていて、帰ってきたら仕事。家事もきちんとこなしていてる。俺の学生生活、こんなに頑張ってたっけ？と思わず考えてしまう。うん…やめておこう。
『買えました！感謝です！』
「よかった。じゃ、帰ろっか。」
『あっ、待ってください。』
「ん？」
そういって取り出したのは、先ほどのコンビニで買ったであろうホットスナックだった。
「ファミチキ？」
『私、最近地味にはまってるんです。一緒に食べましょ。』
そういってガードレールに腰かけ、他愛もない話をしながら時間が過ぎていった。
「Aは今後の進路どうするつもりなの？」
『うーん、正直悩んでます。一応大学受験の勉強しているけど、このまま声優になっても良いかなって思ってます。』
「そっか。」
『小野さんは普通に大学進学してましたよね？』
「まあ、もともと声優志望じゃなかったからね。」
『そっか！イケボ過ぎて業界が放っておかなかったんでしたっけ？』
「なにそれwww誰が言ったんだww」
彼女の無理に気取らないところとか、何でも楽しそうにしてくれるところとか、行動の一つ一つが愛らしい。
でも本人には直接言えなかった。きっと神谷さんとか潤とかだとハッキリ言えるんだろうけどな。
『なんだか肌寒くなってきたし、帰りますか？』
「そうだね。」
俺は羽織っていたジャケットをAにふんわりとかけてあげると、ありがとうの代わりににこにことした笑顔を向けてくれた。
風になびく髪
揺れてる瞳
真っ直ぐにほほえむ笑顔
いつだってまぶしく感じる。
どんな瞬間も見逃したくなくて。
『小野さん？』
不器用な俺を笑うこともなく、足並みを合わせてくれている。
言葉なんかじゃたりないほどAに惹かれる。
「ごめんね。帰ろっか。」
鼓動が切ないほどに響いて、本当に苦しかった。
この苦しさ、もしかしてさっきのファミチキの胸やけかもしれないけど。
168 配信‼️with神谷福山→←166 バレちゃうんですよね、結局
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怪盗アイ(プロフ) - ハルさん» 本当に嬉しいです(；；)ありがとうございます！更新頻度はかなり低いですが気長に待ってくださればと思います！ (2022年3月21日 12時) (
レス) id: aedc1f8497 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - こんにちは！初めてコメントします！！怪盗アイさんの作品どれも大好きです！これからもこの小説応援しています！！更新楽しみにしています！ (2022年3月16日 21時) (レス) id: 7e07349c9e (このIDを非表示/違反報告)
怪盗アイ(プロフ) - アオイさん» アオイさん、コメントありがとうございます。現在最新話の執筆に向けて前のお話の修正から進めております。またプライベートの兼ね合いがある故もう少し更新にお時間がかかってしまうかもしれません。しばしお待ちいただければありがたいです。 (2022年1月4日 12時) (レス) id: aedc1f8497 (このIDを非表示/違反報告)
アオイ - 早く続き読みたいです！アイさんの小説ホント好きです〜！ (2022年1月4日 10時) (レス) id: b03123f166 (このIDを非表示/違反報告)
アオイ - 早く続き読みたいです！！アイさんのペースで頑張ってください！(いつも仕事の励みになってます！) (2021年12月28日 12時) (レス) @page8 id: dc664a3ce7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：怪盗アイ | 作成日時：2020年12月6日 2時
