兵隊が５８人 ページ20
*
「バカかテメェは！！何やってんだ！！！」
ガッと鈍い音がして、一先輩が徹先輩の頭を殴る。
それとほぼ同時に飛雄に抱きしめられた。
「A…っ大丈夫か！？悪い、俺が離れたから＿＿＿」
「だっ大丈夫だから…飛雄は悪くないでしょ」
珍しく泣きそうな声で慌てる飛雄の背中に腕を回す。
かなり怖いと思っていたのか、密着した温もりにひどく安心した。
「……影山、Aを家まで送ってってやれ」
「はい」
ちらりと徹先輩を見るも、一先輩に殴られて座り込んだまま俯いていて表情は伺えなかった。
岩泉side
影山とAが出ていった後、薄暗い体育倉庫で及川と向き合う。
「……しても許さねぇけど、何か言い訳とかあんのか」
「……ないよ。なーんもない」
いつものふざけた雰囲気とは違う暗い表情で遠くを見つめる。
その表情が諦めなのかなんなのか、俺にはよく分からなかった。
「じゃあなんで、」
「焦ったんだよね」
俺の言葉を遮ってそう言う及川。
「ただでさえアイツは最近セッターとしての才能が開き始めてる。今日のゲームで岩ちゃんも見てたでしょ」
「ムカツクけど」、と付け足して及川はゆらゆらと腕を伸ばした。
「その上何をしたのか知らないけどAちゃんとも仲良くなってる。国見ちゃんと金田一以外に懐かなかったAちゃんが最近ベッタリなんだよ？
ほんっとに、どんだけ俺から奪えば気が済むんだろうねぇ？」
「……セッターの座は奪われてないだろ」
「Aちゃんは奪られちゃったじゃん」
及川は手の平を上に向けて空を掴むと、伸ばした腕をだらんと力なく下げた。
「…なんでそんなにAに執着するんだ？」
「……なんでだろうね。自分でも分かんない。
最初は、可愛い1年生だなってくらいだったんだ。ずっと無表情なのに仲良くなった人にはたまに笑いかけたりして、俺もそういう“特別”になってみたいなぁ、とか。
……好きなんだよ、どうしようもなく」
「…そんなに、か」
そんなに真剣にAが好きだったなんて知らなかった。
「じゃあなんでAを怖がらせるようなことすんだよ！わかんだろ、あんなことしたらAが傷付くってことくらい…」
「分かってるよ！分かってるけど、どうすればいいのか分かんなかった！飛雄にだけはとられたくなかったんだよ…」
及川はそれっきり、なにも言葉を発さなかった。
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アオ(プロフ) - 合宿編更新頑張ってください！楽しみに待っています！ (2019年6月16日 12時) (
レス) id: 984d855215 (このIDを非表示/違反報告)
ステテコ - もっと飛雄と絡ませてほしいです！！ (2019年5月24日 3時) (レス) id: 5c9ef39b4b (このIDを非表示/違反報告)
叶(プロフ) - 華月さん» コメントありがとうございます！正直行き詰まっていますが更新停止などはしませんので楽しみに待っていただけると嬉しいです！ (2019年5月19日 12時) (レス) id: 39616f5b3d (このIDを非表示/違反報告)
華月 - 続きがすっごい気になります!更新頑張って下さい！ (2019年5月19日 11時) (レス) id: 8fe2495ae6 (このIDを非表示/違反報告)
叶(プロフ) - 芽さん» コメントありがとうございます！次で現在に戻る予定です〜！ (2019年3月26日 12時) (レス) id: a41677ff93 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：叶 | 作成日時：2019年1月27日 18時
