兵隊が55人 ページ17
*
最近、セッターとしての力がメキメキと伸びている飛雄に対して徹先輩がひどく焦っていた。
鈍感な飛雄はそんな事を知る訳もなく、純粋な瞳で「及川さんにサーブを教えてもらいたい」などと言っている。
初めて俺を受け入れてくれた飛雄に俺は誰よりも心を開くようになって、飛雄を邪険に扱う徹先輩には少しだけ冷たい対応になっていた。
そんなある日、部活の中でのミニゲームが行われた。
もちろん最初は正セッターである徹先輩が試合に入る。
でも焦りからか、普段は滅多にしないコンビミスを連発した。
一応俺も少し試合に出て打ったけど、いつもより早かったり、タイミングが合わない。
結局徹先輩は飛雄と交代。
その時の徹先輩は、いつも俺に見せる顔とは全く違う表情で少し怖かった。
「及川さん、サーブ教えてください!」
その日の練習終了後、これ以上飛雄に追いつかれないように徹先輩は居残り練習を続けるが、空気という空気を全く感じ取らない飛雄はあろうことか直接徹先輩にボールを差し出した。
「………っ!!」
純粋な向上心しか映さない瞳と目が合った徹先輩は、弾かれたように飛雄に殴りかかる。
「飛雄…っ!」
一部始終を見ていた俺が止めに入るより早く、一先輩が間に入った。
「……飛雄、ちょっと帰るまで時間かかるかも」
一先輩に「出てろ」と言われた飛雄は、訳が分からないような顔をしながら荷物を持って体育館から出てきた。
ちょっと徹先輩と話がしたい、という気持ちでそう言うと、飛雄は心配そうな表情をしながらも門まで歩いて行った。
一先輩に説教された徹先輩は、ムスッとした顔をしながら片付けをしている。
一先輩はイライラした様子で「教室に忘れもん取ってくる」と出ていった。
今なら、徹先輩と二人きりで話ができる。
そう思って徹先輩が入っていった体育倉庫に入ったことを後悔するまで、あと二分___
648人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
アオ(プロフ) - 合宿編更新頑張ってください!楽しみに待っています! (2019年6月16日 12時) (レス) id: 984d855215 (このIDを非表示/違反報告)
ステテコ - もっと飛雄と絡ませてほしいです!! (2019年5月24日 3時) (レス) id: 5c9ef39b4b (このIDを非表示/違反報告)
叶(プロフ) - 華月さん» コメントありがとうございます!正直行き詰まっていますが更新停止などはしませんので楽しみに待っていただけると嬉しいです! (2019年5月19日 12時) (レス) id: 39616f5b3d (このIDを非表示/違反報告)
華月 - 続きがすっごい気になります!更新頑張って下さい! (2019年5月19日 11時) (レス) id: 8fe2495ae6 (このIDを非表示/違反報告)
叶(プロフ) - 芽さん» コメントありがとうございます!次で現在に戻る予定です〜! (2019年3月26日 12時) (レス) id: a41677ff93 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:叶 | 作成日時:2019年1月27日 18時