2：紅葉さんと若奥さん ページ3
「「お早う御座います、奥方様」」
「お早う、佐藤さんに高木さん。
今日も一日よろしくね」
首領部屋の扉の前を警備する構成員、佐藤と高木に挨拶をするのはAの日課である。
其れ以外にも、すれ違った構成員一人ひとりに挨拶をするのが、彼女のポリシーなのである。
そんな彼女がマフィア内で癒しポジションと噂されるのも無理はなく、全体の士気を上げるのにも一役買っていることを本人は知らない。
「そうだ、紅葉はもう此処に来ているかしら？」
「尾崎幹部なら、既に部屋で任務前待機をして居られます」
「そう。教えてくれてありがとうね」
Aと紅葉、同い年の2人は実は親友の仲。
ただ、マフィアという職業柄、毎日会うことは不可能で、会う時間があるということは中々に珍しい事なのである。
そのせいか、部屋に向かうAの足取りは、いつもよりも軽かった。
「紅葉、私よ。今いいかしら？」
「おお、Aかえ。今開けるでの」
開いた扉の先には、美しく飾られた赤毛に煌びやかな着物の妖艶な女性、尾崎紅葉。
マフィア五代幹部の1人を任されている彼女は、Aの友人であり、姉のように見守っている。
「会うのは2週間ぶりよね、出張お疲れ様。
えっと……、何処に行ってたのだっけ？」
「福岡で麻薬取引会社の視察と壊滅じゃ。
あ奴ら、ヨコハマのちんぴら共と繋がっておった。全く、ヨコハマ湾からの出し入れが無ければマフィアにばれぬとでも思っていたのかの」
「そう……それはお疲れ様よね。
あ、スープ作るけど飲む？」
紅葉は常に懐に入れている前掛けを取り出そうとするAを止め、申し訳なさそうな顔をした。
「済まぬなA、私はこれから任務がある故、余りのんびりしている暇もないのじゃ。
気持ちだけ受け取っておくぞ」
「あら、また直ぐ任務なの？」
「嗚呼、ちと其方の旦那は人遣いが荒くはないかの」
「もう、林太郎さんに今度文句いってくるわ。
私だって任務くらい出来るのに、中々させてくれないもの」
数少ない友人との時間を笑い話をしながら過ごす2人。
ふと紅葉が思い出したように口を開いた。
「そうだ。昨日中也が久しぶりに乱酒していたそうでの、今二日酔いでへたっているのじゃ。
A、彼奴を介抱してやってくれんかの」
「分かったわ、中也くんも困ったものね」
快くそれを承諾したAは、友人に手を振り部屋を出ていった。
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Lynn - あ、森鴎外（文スト）だ、大好きなんだ。いつか、私優しいので。って言われたいな、口癖でさ (2022年7月27日 11時) (
レス) @page2 id: 3d10a0695d (このIDを非表示/違反報告)
坂竹会長 - この夢主ちゃんのトロッとした包み込むような感じがドストライクです。 そして、森さんも…。燃えます…((そっちかよ。是非とも更新頑張ってください。今なら絶賛僕の口からイチゴオレg…(((殴蹴 失礼しました(笑)_;;ーд#_ (2019年1月6日 21時) (レス) id: d6f7fc00e7 (このIDを非表示/違反報告)
絵蔵(プロフ) - さなさん» 森さんかっこいいですよね！知り合いに森さん推しが少なく寂しいです…！ (2018年7月24日 18時) (レス) id: faef4af26b (このIDを非表示/違反報告)
絵蔵(プロフ) - 麻鬼さん» ほんわりお母さんキャラがつくれてて良かったです！コメありがとうございます！ (2018年7月24日 18時) (レス) id: faef4af26b (このIDを非表示/違反報告)
絵蔵(プロフ) - アイカさん» コメありがとうございます！感動するお話が書けてよかったです…！ (2018年7月24日 17時) (レス) id: faef4af26b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：絵蔵 | 作成日時：2018年6月7日 21時
