セブチ家の日常

日常３《首都14》 ページ30

WZ side
三時間目、人相の悪いおっさん先生のハゲた頭が光る英語の時間が始まった。
先生「お前たち勉強はできたか？してない奴は成績がないだけだが。じゃ、教科書、資料集その他一切を、机の上に出してもらおうか。」
みんなばさばさと紙類を机に出していく。ジュニの鞄からは一緒にススッカンとピンクポンも出てきた。
先生「じゃ、そのいま机の上にあるもの、全部後ろのロッカーにしまいな。カンニング対策だ。脱落した後も取りには行かせないぞ。全員が終わるまで全員着席だ。」
こうして全ての用意が整うとおっさん先生は点呼をとり、資料集を片手に叫んだ。
先生「じゃ、世界の首都暗記テストを始める。全員、起立！」
ガタガタっ！と全員が立ち上がった。
先生「1問目！イ・ヨンホ！セントクリファー=ネービス連邦！」
「えっ、、嘘だろ？！」
先生「はい、脱落。」
「えっ……！！」
先生「イ・ヨンホ、座りなさい。2問目！チェ・ハンギョル！エスワティニ王国！」
「っ………！」
先生「パスか？座りなさい。どうした？みんな暗記が手薄だぞ？3問目……」
HS「嘘だろ、、どーなってんだ、、」
スニョアが怯えた目で見てくる。どんどん問題数は進むが未だに正解できる人がほとんどいない。そうか、この鬼畜ハゲ、わざと難しいやつから当ててって人数をふるいにかけるつもりだな。
先生「18問目、イ・ジフン！ナウル共和国！」
WZ「は？何言ってんだ？」
混乱した頭で周りを見渡すがみんなの頭にも？マークが浮かんでいる。どうなってんだ。ナウルって太平洋の真ん中に浮かぶバチカンに並んで小さい国で、いまは首都とされているところがないはずだ。こんなんが問題に出るなんて、、、
先生「5秒以内に答えろ。5、4、、」
まずい、なにか答えなければ脱落だ。行政庁舎のあるヤレン地区か？もう知らんぞこの畜生ハゲが。
WZ「ヤレン地区、Y、A、R、E、N…」
先生「脱落だ。席につけ」
WZ「ああっ！クッソ！なんで！」
先生「首都のない国は首都はないと答えるべきだ。つぎ、19問目……」
し、し"ね"………！
悔しさと羞恥心で真っ赤になりながら席に着く。思わず顔を覆い、唇を噛んで俯いた、その時だ。ガタガタと気配がし、振り向くとジュナが焦って狼狽の視線を投げてよこす。ジュナの視線をたどると、ウォヌだ。ハゲのあまりに悪意のある手口にプライドをずたずたにされていて気づかなかったが、見るとウォヌがかなり辛そうにしている。立っているのもしんどそうで、机に両手をついてはっ、はっ、と息をしている。スニョアも不安そうな視線を送ってくる。

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