少女は時々河にいる

40話 ページ9

「怪異って何のこと？私知らないよ？」

ふふ……とぼけたら大体何とかなるのだ！

怪異の存在を知っていたら、祓い屋の人か怪異、そして怪異に関係している人に絞れる。

という事は、正解していなくてもヒントはあるかもしれないという事だ。

「はあ、とぼけるか。…今の八尋さん、いつもと笑い方が違うよ」

そんな事を話している間に屋上に着いた。

種明かしの時間がやって参りました！
時が止まる直前って、体が強張るんだよね。

「うん！私は怪異だよ」

「あ、結構簡単に口を割るんだね。で、僕の方の証拠は？」

私は寧々ちゃんから抜けて、事情を話そうとした。

……のだが、奇妙な事に、茜くんは私の話を聞いてくれない。

そう、まるで……聞こえていないように。

弄くれる場所、制服なんかに仕掛けがないかと思っていじいじしていたら。

眼鏡を外した時。

「えっ？君……誰？」

あー！やっぱり制服に仕掛けあんじゃん！

……という言葉はぐっと飲み込み。

「さっきまで寧々ちゃんに入ってた、怪異さんですよー！

……んで、君の方の説明をしよう。私はさ、時が止まる直前、体が強張るっていうか、何かに引っ張られる感覚があるんだ。

で、私は君をちょっと観察していたんだ！
そしたら、君の近くだとその感じが強くなる。
偶然と言えるかな？」
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はい、可愛い男の子だそうです。

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