ファーストラブ 【桃】

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「どこ行くの？」






「分からん。とりあえず寒いからあったかいとこ」








そんな適当なところも

小瀧くんらしくて、いっか、って思っちゃう。














そんなとき




「きゃっ！」





前から走って来た車のタイヤが

水たまりにハマって私と小瀧くんの体にかかった。












「···えぇ、まじかぁ」













2人とも···びしょびしょ。


制服やら髪の毛やら。







ああもう！昨日ふった雨のせいだ！ばか！










小瀧くんの顔を見れば

呆然としていた。



そんな顔に、思わず笑ってしまう。















「小瀧くんびしょびしょだよ 笑」




「は、お前もやんけ」








そう言葉を交わせばお互い笑い合う。




こんな最悪なときでも

小瀧くんといれば楽しい。



ただただ、幸せだった。









「どうする？」




「こんな濡れてたら恥ずかしいし、寒いよ」





そう言ったら

急に黙り込んだ小瀧くん。





「······小瀧、くん？」








「家、」



「···家？」







「俺んち、行く？」







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