ファーストラブ 【桃】

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「なんか言いたかった、最期に、」




「でも、それさえも言えんくて」













きっと小瀧くんは


その、夏奈さんのことが


ほんとに、大好きだった。





今も、ずっと大好きなんだろう。













...
















「なんでお前が泣くねん 笑」



「だって······」









気が付けば、涙が出てて。






そうじゃん









なんで、私が



私が、泣いてるのよ。








泣きたいのは、小瀧くんの方なのに。





















それでも、小瀧くんは


私の頬に伝う涙を


優しく拭ってくれた。







「まだ夏奈のことが忘れられへんから

当分、彼女とかいらんかった」









「でも流星に、

お前いつまで夏奈ちゃんのこと引きずってんねん

って言われて」





「合コン、行った。海」





「別にむりやり彼女ほしい、

とかは思ってなかったけど、」






私と、行った海だ。




小瀧くんと、初めて出会った海。











「A、なんかあいつに似てる」









2ヶ月前、同じ場所で言われたこと。








それは、私と夏奈さんが似てる、ってことだった。













「夏奈の持ってたもん、お前も持ってる」




「何か分からへんけど、なんか」








なにか言いかけてた。



私に。









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