【HQ】モブイン先輩にマネ勧誘された3【青葉城西】

１１５話 ページ29

ボトルを買い物かごに入れて、よいしょと持ち上げる


腰が痛い


一籠２０本入っているから計４往復になる


今は天野先輩が手伝ってくれているから結構楽だけど


結局レギュラーのドリンクはどうなってるのだろうか


相手はあの高橋さんだ


「レギュラーのドリンクを作れ」「はい、分かりました」とはいかないだろう


興味本意で一軍の体育館を覗いた


・・・え、待って、まって


ペットボトル・・・だと？


いや、そりゃあ自販機の方が冷えてるし味的に美味しいだろうけど、その金は何処から来ている？


まさか部費じゃないだろうな


今月の部費は坂倉さんが(また)空気を抜いてしまったボールの替えを買うことになっている


その時丁度後ろから金田一君が来た



金田一「・・・何やってんだ？」

「ねぇ、そのスポドリ、自分の懐？それとも部費？」

金田一「みうは部費って言ってたけど」



高橋さん、絶対天野先輩と溝口コーチに殴られるな



「金田一君はそれでいいの？」

金田一「は？何が・・・」

「そもそも何で部費でスポドリを買ってんの？」

金田一「みうが作り忘れたからって、それに、自販機の方が冷えてて美味しいって・・・」

「そりゃ美味しいだろうな、機械だし。だからって何で部費で買う？部費は保護者や地域の人や私らも出している大事な金なのに作り忘れたから部費で買えって？は？それが毎日出来たらマネージャー要らねぇわ」



ヤバイ、私念が混じって口調も崩れてきた


ふぅと一息吐いてから金田一君と目を合わせる



「金田一君はマネージャーがマネージャーの仕事をしてないことに可笑しいと思わないの？気付いてるんだろ？」

金田一「可笑しいって事ぐらい俺だって気付いてた。いつも応援ばかりでタオルも何もないし、日誌も書いてないし、スポドリは自販機だし・・・あれ？可笑しいよな？なのに何で及川さん達は何も言わないんだ？あれ？」

「・・・あれ？戻った？」

金田一「何がだよ。それより今日国見を部活で見てないけどどこに居るんだ？」

「お前も大概国見君大好きっ子だな。国見君は二軍の体育館に居るよ。行く？」

金田一「行く！」



金田一君に籠を持たせ二人で二軍の体育館に向かう


金田一君はバレー部の中で数少ない常識人だから、可笑しいのに誰も何も言わない状況に疑問を持って洗脳が解けたのか


でも良かったね国見君


仲間が増えたよ(ただしらっきょう)

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