【A3!】向日葵は君に似合わない 2

17.線香花火 ページ4

『て、天馬くん？』

「そういえばやってなかったな」



私が戸惑ってるのなんてお構い無しに線香花火をしようと火をつける準備をする彼に声をかけた



『もうみんな戻っちゃったけど…』

「余ってるのももったいないしやるぞ」



彼に、もったいないなんていう概念あったのか。
そんなことを考えている私を他所に彼は線香花火を渡してくる。恐る恐る受け取ると、彼はその場に屈んだ。
え、やるって2人で？もうみんな戻っちゃったのに？なんでみんな戻っちゃったの？なに？なにこのシチュエーション、こんなのあのドラマみたいじゃん




「よし先に落ちた方が負けだな」

『は、はい、わかりました』

「おいめちゃめちゃ手震えてんぞ！勝負する気あるのか！？」

『そんなこと言われても…！』




慌てて線香花火を持っている自分の右手首を左手で抑える。生まれて初めてだ。線香花火を両手でやったのは。




「線香花火初めてなわけじゃないよな…？」

『前に何回か…、そ、そういえば天馬くんも前にドラマでやってたよね！』

「あぁ。」



この緊張する空気をどうにかしたくて、私ではなく話の矛先を天馬くんへ変えようと急いで話題をすり替えた。今の内に収まれ私の心臓

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