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「あー！この前寮に来てた、サクサクの従姉妹ちゃんか！」
『あ、チャラいアラジンの人ですか！？』
「覚え方雑すぎ〜」
ヘラヘラと笑う目の前の金髪の人は、アラジンほど堅物では無いけれど、根がチャラいというとこは変わってないようだ。
すごい、こうやってみんなのキャラの根本を変えずにシナリオとキャストを与えている。
「ぼ、僕はどうですか！」
『あ、えっとシナリオに詳しいシンドバッドの子！』
『シンドバッドの芯が強い演技が良かった、と思います！』と一言付け加えると彼は可愛らしい笑顔で笑った。なんだか少し咲也に似ているな
いつの間にか私の近くまで来ていたランプの魔人役の人に少し驚きつつ『アクションがすごかったです』と伝えると、にっこり笑って手にそっとさんかくの何かを渡された。ありがとうだけどなんだこれ
「おい」
＿そうだ、彼に会いに来た。
痺れを切らしたかのような声で私を呼ぶ。今は少しだけなら合わせられる目も、もう先程とは違って涙も少し引いているのも、前に比べて私は徐々に成長しているのだと思う
「ゲネプロの時よりもいい演技だっただろ？」
『はい！やっぱり天馬くんはすごいなって思いました！』
いつの間にかまた敬語に戻っている気がするが、今はいい。ただ正式に丁寧に彼に気持ちを伝えたかった
「ふん、当たり前だろ。俺はいつか世界各国の主演男優賞を総ナメにする男だぞ」
『ふふ、はい！』
当然のごとく話す彼に少し笑みがこぼれて、人差し指でそっと目元の涙を拭った。
＿これからも彼に着いていきたい。
．
「ポンコツよりも俺たちの方が目立ってたけどね」
「はぁ！？俺だろ！」
『はい！天馬くんが1番かっこよかったです！！！！』
「ちょっとあんたは黙ってて」
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作者名：まっかちゃん | 作成日時：2022年12月27日 23時
