【A3!】向日葵は君に似合わない (ページ27)

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『あっ、』

教室に戻った時にはほとんどの人は帰るか部活に行っていて、教室の中は誰一人としていない＿と思っていた。
ガラガラと扉を開けると、教室の中で立っている彼がいて、思わず声が出てしまった

『天馬くん…』

「まだ帰ってなかったのか？」

『忘れ物しちゃって…』

天馬くんこそ、ゲネプロがあってから数日しか経っていないけど学校に来てなかったし、会うと思ってなかったから、驚いたよ。
そうスラスラと自分の口からは彼に言えなかった。

「やっと敬語じゃなくなったな」

そう言って笑った彼になんでか分からないけど少し気まずくて、それでもやっぱりドキドキして、急いで自分の席に向かった

「ゲネプロ、」

「悪かった、」

『え、えっ、なんで謝るの？』

『天馬くんは＿』

悪くない。そこまで言おうとして慌てて口を閉じた。そんな言葉を簡単に言うなんてあまりに無責任で非常識だ。

「＿セリフが飛んだ」

苦しそうに言う彼をあまり見たくなくて普段なら考えられない程彼から目を逸らした

「ゲネプロ、見てどう思った？」

彼はそう言いながら椅子に座った。
窓から差し込む夕焼けの光が彼の髪色とすごく似ていて、その姿を見て私たちしか教室にいないということに気づいた時、口から心臓が飛び出そうだった