【A3!】向日葵は君に似合わない (ページ23)

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「報道陣の方はこちらへお願いしまーす！」

「すみませーんカメラこっちでいいですか？」

「カメラはこっちでーす！」

会場に入ると、当然まだ始まっていないのにザワザワと賑やかな様子で、人混みに揉まれそうになっていた。
てかカメラ多いな

本当にこの場に来てよかったのかなと、若干不安を抱えつつ人の波から抜け出して自分の席に着いた

「映画にドラマに引っ張りだこの皇天馬が今、舞台をやるとはね」

「ある意味、満を持して、とも言えるかもしれないな。」

「なんにしろ楽しみだ」

近くの席に座った男の人2人が何やらペンを持ちながら話す。恐らく記者の人だろうか。
すごい、私は今自分が思っているよりすごい場所にいるのかも

近くで話していた記者の人たちも、楽しみだと浮き足立っている周りの人達も一瞬で静かになる

＿幕が上がる

«「今宵も語って聞かせましょう。めくるめく千の物語のその一つ…」»

あ、幸くんだ。

まるで踊るように、指先一つ一つの動きがしなやかで、それと同時に髪や首にある装飾が一緒に揺れて、

幸くんってこんなに綺麗だったっけ、

まだ始まったばかりなのに、一気に世界に入り込みそうで

でもそんな感傷に浸れるのも一瞬だけだった。