【A3!】向日葵は君に似合わない (ページ18)

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『だって、せっかくの天馬くんの初舞台なのに、お金も払わずこんな簡単に手に入るなんて！私が許せません！！！！』

ようやく彼が昨日寮にいた理由が分かったが、今はそれどころじゃない。こんなもんいくらでもやるよみたいに、カレー作りすぎたんでおすそ分けみたいな感覚でチケットを渡されても、これが一体どのくらい価値があるものなのか分かっているのだろうか。

あげるいらないの攻防を繰り広げていると、天馬くんはまだ他にもあるチケットを見てため息をついた

「10枚…」

『え？』

「ノルマが10枚なんだよ。それ手伝うと思えばいいだろ」

『ぐっ…、でもやっぱりファンが貰うのはちょっとダメな気が…』

「じゃあ友達だ。」

『ん？』

「俺とお前は今から友達。他の奴らはみんな友達に配ってる。それならいいだろ」

『友達…！！！』

彼から出た予想もしなかったキーワードに喜んで、思わず顔をばっとあげる。
そこにはしてやったりというような余裕の笑みでこちらを見る彼がいて、

あ、これ、

やばい

「やっと目合ったな」

そこからの記憶は曖昧だった。
ただ顔どころか体全身が馬鹿みたいに熱くて、やかんが沸騰するみたいに私の顔の熱はピークに達した。多分爆発した。