【A3!】向日葵は君に似合わない (ページ14)

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6.認知ページ14

＿

「課題提出ありがとな、日南」

「＿日南？」

『え、あぁ、すみません』

担任の先生が顔を覗き込んで来て一気に現実へと戻された。教室とは比べ物にならないほどの涼しさ、電話の音やコーヒーの匂い、ここは職員室だ。

「朝から職員室に呼んで悪かったな、もう戻っていいぞ」

『はい、失礼します。』

ぺこりとお辞儀をして職員室から出た。思わずその場にしゃがみこみそうになるのをグッとこらえる。

ああぁ…、学校に来てしまった。

昨日の自分が犯した醜態を思い出して頭を抱える。
せっかくお茶でも、と誘ってくれて、みんなにあんなに優しくしてもらったのに、自分で零したコーヒーの後始末すらせずに寮を飛び出してしまった。よりにもよって推しの前で。
咲也はきっと天馬君に私がファンであることを伝えてしまっている。いやそもそも口止めしてないし。

最悪だ。天馬くんに｢推しへの愛が強すぎて家までついて行った女｣と思われていたらどうしよう。
それでも学校には行かないといけないわけで、彼が今日仕事が入って学校に来ないことを願うばかりだ。

そもそも天馬くんだって今まで何万というファンを見てきたわけだし、学校で会ったとしても私だと気づかないだろう。