【A3!】向日葵は君に似合わない (ページ12)

今日:12 hit、昨日:19 hit、合計:12,085 hit

・ページ12

「あんた」

『は、はい』

「あんた名前は？」

『日南Aです。』

「ふぅん」

先程指をさしてきた緑の髪の子はそれだけ言うと、腕を組んでまるで私を品定めするかのようにジロジロと見てきた。少し居心地が悪いな

「この子は瑠璃川幸君、中学生なんだ」

『よ、よろしくね』

よろしくってなんだ。別に今日からここで暮らす訳でもないのに、今日少し寮にお邪魔になっただけなのに。
それでも眼力の強い瞳に見られて何か言わなきゃ、と精一杯言葉を振り絞った結果がこれだった

「言っとくけど俺男だから」

『そうなんだ。幸くん可愛い服着てるね、髪もツヤツヤ』

それだけ言うと彼は少し目を見開いた。しまった初対面なのにもう君付けで呼んでしまったのがいけなかったのだろうか。
自分より年下の子に「気安く呼ばないでよ」と言われてしまったら私のライフはもうゼロだ。

「まあ…あんたも髪綺麗だけど」

『へへ、そうかな』

思ったよりも初々しい反応に少しほっとした。
会ったばかりだけれど、私よりも遥かに女の子らしくて少し気の強そうな幸くんに褒められたことが嬉しかった。

まあ、髪の手入れをしているのは事実で理由は明確。
そんなの推しにいつ会うか分からないからだ