【A3!】向日葵は君に似合わない (ページ11)

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「ただいま〜｣

「あ、監督ちゃんお帰り〜｣

「監督さん、お帰りなさい｣

監督さんと咲也の後ろに隠れながら寮へと入る。ドアを開けると何人かの声がして、賑やかなのが十分伝わってきた。

本当に来てよかったのかな。

「その子は？｣

後ろにコソコソと隠れている私に気づいた緑の髪の、女の子…だろうか。小柄で可愛らしい子が威圧感増し増しで私を指さした

「あ、この子は咲也君の従兄弟で、忘れ物を届けに来てくれたんだって！｣

「せっかくだからまだ話したくて、それにみんなに紹介したかったんだ。｣

「＿俺の大切な家族を｣

そう言って微笑んだ彼を見て少しだけ心が暖かくなった。
思っていたよりもみんな優しく迎え入れてくれて、この中なら咲也のことを心配しなくてもよさそうだ。

監督さんに美味しそうなコーヒーを入れてもらいテーブルへと案内された。

『すみません監督さんありがとうございます。』

「はは、いづみでいいよ。Aちゃんは礼儀が良いね。｣

『いえ』

礼儀が良いというか、緊張しているというか、そもそも初対面の人たちの家で礼儀が悪いような行動をするメンタルも行動力も持ち合わせていないだけだ。