ほーくすちゃん[短編]

62 Kai* ページ9

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入団してから今もずっと人気者のA

可愛くてかつ美人で優しくて……そりゃ人気だわ



いつでも選手達の輪の中にいて常に笑顔

それに引き換えて俺は周りの言うことに愛想笑い

いや、ちゃんと聞いてんだけどさ

Aが目から離れないと言ったら気持ち悪いか






「拓は昔からなんかほっとけないんだよね」
「え？俺？」
「私にはなんでも相談してよ？」
「…おう」







言えたらとっくに言ってるよ

俺のこの恋心には気づいてないか




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また周りの選手達と楽しそうにバカ笑い

俺含め若手に狙われてるなんて十二分に分かってる

でも誰よりもAが好きなのは俺



この気持ちにどうか気づいて

でも誰にもバレたくない

そんなの無理か、好きになったら…ダメか？





「…好き」
「拓なんて？」
「なんも」





次お立ち台でも立ったらちゃんと言ってみるか



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ついに待ちに待った決戦日

あんなに練習してきたのに上手く声が出てこない

Aの表情を見てると焦りそうになる

これまでの努力を疑わないで伝えよう


今言わなきゃいつ言うんだ

諦めないって、決めたから






「A、Aのことが誰よりも好きです」
「、」
「俺と付き合ってください」






この年にもなってベッタベタな告白

Aは可愛らしく笑って俺に抱きついて

"待ってた。拓、大好きだよ"って待てよ、照れる









(この前の聞こえてた)
(嘘でしょ)
(バッチリ耳に残ってる)

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