３６羽 ページ38
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楽しかった帰り道の翌日。影山は朝練の前に自主練習をしようと、体育館にやってきた。まだ誰も来ていないはず、そう思い込んで入り口の扉に手をかけた段階で、そこに人がいたことに気づく。
黒いジャージを身にまとい白い髪をなびかせている少女。そこにいたのはAだった。
アイツはえーな、なんて呑気に思いつつ体育館内に入ろうとしたが、Aが手にボールを持ってエンドラインに立ったために足を止める。
右手にボールをのせ、床と平行に右腕を伸ばすA。そしてふわっとサーブトスをあげたかと思うと軽やかなテンポ、歩数、動きで飛ぶ。
爽快な音をたてて、そのボールはネットを挟んだ向こう側のコートへ。勢いはさほどでもないものの、そのフォームは選手といっても可笑しくないほど綺麗なものだった。
Aのフォームには既視感があった。憧れと闘志を胸に試合を見ていた絶対的王者、牛島若利。彼のサーブフォームと酷似していたのだ。
適当に軽く後ろで結ばれたAの真っ白な髪が着地と同時に風になびく。凛とした表情でボールを見つめるAの姿を綺麗だと、影山はふいに思った。
だが瞬時に首を振る。よく考えろ、あいつはあの煽り好きで鼻につく白鳥だぞ、と。そして今度こそ入ろうと思った影山だったがまたも踏みとどまった。
Aが右手をただじっと見つめながら、ひとつ涙を流したのだ。
「若先輩……。」
かなり小さい声だったが、確かにAはそう言った。館内に響いて、それから吸い込まれるように消えた声。あまりにも儚い光景に影山は思わず息を呑んで、くるりときびすを返した。
……違う、ぐんぐんヨーグルトを買いに行くだけだ。決して気遣っているわけじゃない、断じて違うと自分に言い聞かせながら。
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「おい。」
影山はさも今やってきたかのように声をかけた。Aはまさか先程の光景を見られていたとは知るはずもなく、いつものどこか挑発的な笑みを浮かべた。
「あぁ、おはよう王様。」
「……うるせーよ。」
「え……ちょっと、熱でもあるの？」
いつもは王様と言えば激怒する影山がここまでさらっと流すとは……とAは目を見開いた。
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「(今、どうしてますか？
先輩方は元気ですか？
期待できそうな超新星はいましたか？
今も王者であり続けているのですか――？
転校してから……そんなこと思っちゃうんです。だから……今度は烏として、公式戦で会いに行きますね。)」
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刹那(プロフ) - 疑問なのですが５羽の端麗ナ容姿は誤字では無いですか？ (2020年5月15日 15時) (
レス) id: 9ed63526ef (このIDを非表示/違反報告)
赤兎リエ輔(プロフ) - 由華理さん» 本当ですか！ありがとうございます！！ご期待に添えられるように頑張ります！ あっ、ほんとですね…(゜Д゜) み、見なかったことに((( すみません！今から直したら全話直さないといけないので、目をつぶってください…！ (2016年9月30日 19時) (レス) id: 9a5c590feb (このIDを非表示/違反報告)
由華理 - 質問なのですが、１７羽が二つあるのはなぜてすか？ (2016年9月29日 21時) (レス) id: 06d67bc150 (このIDを非表示/違反報告)
由華理 - いつも作品見ています！これからも更新頑張ってください！ (2016年9月29日 21時) (レス) id: 06d67bc150 (このIDを非表示/違反報告)
赤兎リエ輔(プロフ) - 七瀬 蒼さん» ご指摘ありがとうございます！直してきます:(゜ω゜): 面白いですか！？よかったです･･･！応援ありがとうございます！ご期待に沿えるよう頑張ります！ (元 花宮幸ヤです！) (2016年8月13日 15時) (レス) id: 9a5c590feb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：赤兎リエ輔 x他2人 | 作者ホームページ：http://nekomoti
作成日時：2015年5月9日 16時
