２７羽 ページ29
・
・
真っ青な顔でサービスラインに立つ日向。恐らく"ミスしたら"と考えているのだろう。今ミスをすればゲームがとられてしまうという状況下にあるのだから無理もない。そのプレッシャーは大きいだろう。
ピーッというホイッスルの音に体を動かされるように日向がサーブを打つ。そのサーブをみて、あ、と思わず声が漏れた。まずい、と思ったその直後、想像通り日向のサーブは低く床に平行に進んでいく。
「う"ッ……。」
そしてそのボールは、ネット前で構える影山の後頭部へ向かっていき、思いっきり彼の頭にあたった。まさかの光景に騒然とするその場の空気。
「(……あっちゃー。)」
喉まででかかった言葉を、Aは飲み込んだ。
・
影山から激怒され、その後の田中の言葉でどうにか復活した日向は、月島いわく"変人トス&スパイク"を決めた。
自然と自分の表情筋が緩むのをAは感じていた。右手を頬に当てて表情を抑えつつ、その光景を眺める。大いに盛り上がる会場、喜ぶチームメイトの顔、驚く相手チームの顔。白鳥沢にいたときでは味わえなかった一丸となって喜ぶこの感覚に、どこか新鮮さを覚えた。
・
・
五分五分の試合を送り、青城がタイムアウトをとった。選手達はドリンクをのみ、汗をふき、一息つく。そんな中、Aは試合中に思ったことを言って回っていた。
「月島！」
「……ナニ、白鳥サン。」
「ブロック、まだちょっと手ェ抜いてるのがわかる。指の先まで力入れて。」
「……ハイハイ。」
「影山は今のところ目立ったミスはないけど……でも、レシーブ戸惑いすぎ。セッターだからなのは分かるけど、なるべく正確に拾うこと。」
「……分かった。」
「田中さん、澤村さん、縁下さん、凄くいい感じです。欲を言うなら、澤村さん、縁下さんはレシーブをどうにかしてあげてください。日向も月島もへったくそなんで。
田中さんは全体的にもう少し早くとんでもいいです。影山なら田中さんの最高のタイミングで最高の打点でうたせてくれるはずですから。」
「おう！」
「分かった。」
「了解！」
「次は……あぁ、日向！」
選手一人ひとりの元を駆け回るAに、澤村は菅原と顔を見合わせる。それからさながら親のように笑った。
「凄いですね、影山も白石も。にしても、なぜ白鳥沢の白鳥である白石が……？」
「ふむ……。」
・
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1145人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
刹那(プロフ) - 疑問なのですが５羽の端麗ナ容姿は誤字では無いですか？ (2020年5月15日 15時) (
レス) id: 9ed63526ef (このIDを非表示/違反報告)
赤兎リエ輔(プロフ) - 由華理さん» 本当ですか！ありがとうございます！！ご期待に添えられるように頑張ります！ あっ、ほんとですね…(゜Д゜) み、見なかったことに((( すみません！今から直したら全話直さないといけないので、目をつぶってください…！ (2016年9月30日 19時) (レス) id: 9a5c590feb (このIDを非表示/違反報告)
由華理 - 質問なのですが、１７羽が二つあるのはなぜてすか？ (2016年9月29日 21時) (レス) id: 06d67bc150 (このIDを非表示/違反報告)
由華理 - いつも作品見ています！これからも更新頑張ってください！ (2016年9月29日 21時) (レス) id: 06d67bc150 (このIDを非表示/違反報告)
赤兎リエ輔(プロフ) - 七瀬 蒼さん» ご指摘ありがとうございます！直してきます:(゜ω゜): 面白いですか！？よかったです･･･！応援ありがとうございます！ご期待に沿えるよう頑張ります！ (元 花宮幸ヤです！) (2016年8月13日 15時) (レス) id: 9a5c590feb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：赤兎リエ輔 x他2人 | 作者ホームページ：http://nekomoti
作成日時：2015年5月9日 16時
