12羽 ページ13
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日向と影山に明日の練習時間を聞いた意図は伝わっただろうか。もしかするとアホな2人のことだから伝わっても居ないかもしれないな、なんて思いながら家路に着く。
リビングに居る母に「ただいま。」とだけ軽く告げて、Aはそのまま自室へと向かった。
鞄を部屋の適当な場所へ放り投げ、ベットに飛び込む。家に帰ると色々なことが思い起こされた。
新チームは初日にして今後が危ぶまれる状況。これからどうなっていくのだろうとか、他の1年生はどんな人物なのだろうとか、チームについて思いを馳せれば馳せるほど浮き上がってくる中学時代の思い出。
少し天井を仰いだ後、制服に入っている携帯を取り出して画像フォルダを開く。そこにあるお気に入り登録をして大切にされている写真。そこに映るのは自分と、かつての仲間達。
「……決心つけなきゃ。」
その写真を見ながら小さく呟く。そうは言ってもこの写真を消そうとも、お気に入り登録を解除しようとも思えなかった。
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翌朝、午前4時。いつもより何時間も速い起床にAは起きて早々大きなあくびをした。練習は7時からだというのにこんなにも早く起きるのは彼らのためだった。
彼らを強く、立派な選手に育てるために。……自分が白鳥沢で出来なかったことを烏野で成功させる。その意思は何よりも固い。
両頬を軽くたたいてからベットからでると、すぐにAは用意を始めた。
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「あ、おはようございます、田中さん。」
Aが学校に向かっていると、前方に何度もあくびを繰り返す黒いジャージの坊主頭の男が歩いていた。ジャージには烏野高校排球部の文字がしっかり刻まれているし、既視感のある背中は間違いなく田中のものだ。
そう確信したAが話しかけると同時に隣に並ぶ。「おぉ、Aちゃん!」と笑った後、何かを噛み締めるように田中は涙を流す。
「くーっ……朝っぱらから美女の顔が拝めるとは……!!何て幸せなんだ、俺!!」
「……早くいきましょう。きっと彼ら待ってますよ。」
田中に呆れた顔を見せたのも一瞬、Aが小走りで田中を追い抜かしていく。そんな彼女の背中を「ちょっ、待ってくれー!」と田中も追いかけた。
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刹那(プロフ) - 疑問なのですが5羽の端麗ナ容姿は誤字では無いですか? (2020年5月15日 15時) (レス) id: 9ed63526ef (このIDを非表示/違反報告)
赤兎リエ輔(プロフ) - 由華理さん» 本当ですか!ありがとうございます!!ご期待に添えられるように頑張ります! あっ、ほんとですね…(゜Д゜) み、見なかったことに((( すみません!今から直したら全話直さないといけないので、目をつぶってください…! (2016年9月30日 19時) (レス) id: 9a5c590feb (このIDを非表示/違反報告)
由華理 - 質問なのですが、17羽が二つあるのはなぜてすか? (2016年9月29日 21時) (レス) id: 06d67bc150 (このIDを非表示/違反報告)
由華理 - いつも作品見ています!これからも更新頑張ってください! (2016年9月29日 21時) (レス) id: 06d67bc150 (このIDを非表示/違反報告)
赤兎リエ輔(プロフ) - 七瀬 蒼さん» ご指摘ありがとうございます!直してきます:(゜ω゜): 面白いですか!?よかったです・・・!応援ありがとうございます!ご期待に沿えるよう頑張ります! (元 花宮幸ヤです!) (2016年8月13日 15時) (レス) id: 9a5c590feb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:赤兎リエ輔 x他2人 | 作者ホームページ:http://nekomoti
作成日時:2015年5月9日 16時