【ハイキュー！！】白鳥から烏へ

５羽 ページ6

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Aの名前を聞いて驚いた3人の男。そして灰色の髪の温厚そうな男が、ゆっくりとAに問いかけた。



「君、もしかしてさ……"白鳥沢の白鳥"？」
「……そんな風にも呼ばれてますね。」



その返答を受けて、坊主の男が「おぉ！」と声をあげた。貫禄のある男は「なるほど、何かどっかで見たことあるなっておもったら……。」とうんうんと頷きながら感動したように言う。けれど当のAの面持ちは少し暗かった。

その男達の姿に影山はムッとした表情でそっぽを向き、日向はポカンとした表情を浮かべていた。



「あ、あの！その白鳥ってなんですか？」
「え、お前、知らないのか？」



日向の問いかけに灰色の髪の男が驚きを隠せない、といった表情を見せた。けれど日向は変わらずきょとんとした表情で「はい。」と答える。



「白鳥沢の白鳥っつーのは白鳥沢の中等部のバレー部のマネージャーのことでな、容姿が全体的に白っぽいところと、白鳥沢って言う学校名、何よりその端麗ナ容姿からよばれた名前なんだ。

マネージャーとしてめちゃくちゃで、その優秀さはあのウシワカが認めたって話だべ？」



灰色の髪の男が説明すると、日向はなんとなく凄さを理解したらしく、目を輝かせてAの方を見た。その振り向く勢いにAは肩を揺らす。



「すっげー……！すげぇな、A！」
「い、いや別に……そんなたいしたものじゃないよ。」



どこか気まずそうな顔つきで視線を泳がせながらAは返す。その様子に不思議そうにした日向だったが、「そうかそうか、お前ら全員烏野か……！」という貫禄のある男の言葉に流された。



「え？あの……？」



実績のあるAや影山はまだしも、何故自分も実績のある人物のように含まれてるのか。そう疑問を抱いた日向が質問しようとすると、灰色の男がそれを遮る。



「俺たち、去年のお前らの試合見てたんだよ。」



その言葉を皮切りに、坊主の男が日向のことを褒める。それを物凄く嬉しそうに日向は聞いていた。



「それにしても、あんま育ってねぇなぁ！」



坊主の男の何気ないその言葉に、日向は「でも！」と切り返すと、大声で宣言する。





「――小さくても、俺は飛べます！烏野のエースになってみせます！あの"小さな巨人"みたいなエースに！」




その堂々とした宣言を受けて、先程まで神妙な面持ちだったAは少し興味深そうに目を細めた。なんだか楽しめそうだと思いながら。





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