33羽 ページ35
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「俺も謝んねぇ!」
「……おう。」
「お前は俺の中でこれからも横暴な王様でムカツク奴で、最高にブッ倒したい相手だ!」
2人の会話を物陰から聞いていたAは思わず笑い声がこぼれた。才能の差を理解しながらも、ブッ倒したいという強気な発言がはじめてあった日の日向に重なったからだ。
しかし、我に返って思い返した。そうだ、自分は所謂盗み聞きをしていたのだと。
「……盗み聞きしてんなよ、白石。」
「え、チームメイトなのにその対応?」
「酷いなあ〜。」なんて笑いながら姿をだすA。金田一は「白鳥……。」と呟いて、Aを睨んだ。しかしまあAは特に気にしている様子を見せることもなく軽く口角を上げる。
「そんなに敵意むき出しにしないでよ。私は向上心のある人嫌いじゃないよ。」
Aが目を細めて笑うと、金田一は言葉に詰まって若干顔を赤くする。こればかりはいくら白鳥を邪険にしようと整った容姿のAを前にしては仕方がない。
金田一は左右に首を振って邪心を払拭すると、再度Aを睨みつけて叫んだ。
「お前もだ、白鳥!!俺らは白鳥沢に1回も勝てなかった……その白鳥沢の強さに少なからずお前が関与してる……。いつか絶対!お前の策略をブッ壊してやる!」
悔しそうに、それでも強い意思を持って金田一はAに告げた。
「……うん。楽しみにしてる。」
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ありがとうございました!と挨拶を済ませて、バスへと向かう。そんな中、澤村がおもむろに話し始めた。
「武田先生はああ言ってくれたけど、正直及川のいる青城と真っ向勝負で戦って勝つためには何か決定的に足りないものがある。」
「んー、平たく言えばレシーブですけどね。」
苦笑いにAが付け加えると、澤村だけでなく菅原も同じように笑った。3年やAには分かっている、このチームの守備の脆弱さが。
「さっすが主将と白鳥チャン。ちゃーんとわかってるね。」
烏野一向の前方に、そんな言葉を投げて校門にもたれかかっている男の姿。その男が何者か認識した日向が大きな声で言った。
「でたな大王様っ!」
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刹那(プロフ) - 疑問なのですが5羽の端麗ナ容姿は誤字では無いですか? (2020年5月15日 15時) (レス) id: 9ed63526ef (このIDを非表示/違反報告)
赤兎リエ輔(プロフ) - 由華理さん» 本当ですか!ありがとうございます!!ご期待に添えられるように頑張ります! あっ、ほんとですね…(゜Д゜) み、見なかったことに((( すみません!今から直したら全話直さないといけないので、目をつぶってください…! (2016年9月30日 19時) (レス) id: 9a5c590feb (このIDを非表示/違反報告)
由華理 - 質問なのですが、17羽が二つあるのはなぜてすか? (2016年9月29日 21時) (レス) id: 06d67bc150 (このIDを非表示/違反報告)
由華理 - いつも作品見ています!これからも更新頑張ってください! (2016年9月29日 21時) (レス) id: 06d67bc150 (このIDを非表示/違反報告)
赤兎リエ輔(プロフ) - 七瀬 蒼さん» ご指摘ありがとうございます!直してきます:(゜ω゜): 面白いですか!?よかったです・・・!応援ありがとうございます!ご期待に沿えるよう頑張ります! (元 花宮幸ヤです!) (2016年8月13日 15時) (レス) id: 9a5c590feb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:赤兎リエ輔 x他2人 | 作者ホームページ:http://nekomoti
作成日時:2015年5月9日 16時