ついてない日 ページ2
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私の元々の仕事はロケーションの手配をしたり
情報提供したりをして生活を送っていた
しかし
ロスに留学していた頃の同級生のエドワード
通称、江戸
(漢字で名前をつけろと言う親日アメリカ人)
が向こうで所謂エージェントというものを
していて、仕事内容はよく知らないが…
まあ、アメリカの富裕層ともお知り合いが多く
日本に来るお金持ちの接待役のような、
個人コンシェルジュ的役割を私に振ってくる
簡単にいうなら付き人の仕事を引き受ける様に
なった訳だ
お金持ちの相手だから、とっても報酬は
いいけれど、要望はワガママだ
まあ、その辺りをうまく丸めて楽しませて帰す
それが私の仕事
お金持ちも私を便利に使うからWINWINの関係
だけど、時には面倒なヤツもいる
そんな相手をやっと納得させて飛行機に乗せて
母国へ帰し私の帰宅は午前2時を過ぎた
江戸に無事帰した報告をしてエレベーターに
乗り込んだら下から男の人が乗ってきていた
この時間に乗り合わせることが無いから
驚いたけど会釈をして、通話を切った
部屋の階数を押し何気なく表示板をみていたら、
5階を過ぎた辺りで変な音をさせたと思うと
ガタンと大きな音をさせて止まって停電した
私は狭くて暗いところがとにかく苦手で
電気が消えた瞬間に大声を張り上げた
乗り合わせた男性は落ち着いて警備会社に
連絡を取ってくれている
そして、薄暗いけど灯りも点けてくれたようだ
恐怖で立っていられなくて床に座り込んだ
気を紛らわせるために、音楽を流す
イヤフォンから流れてきたのは
嵐と言うボーイズグループの
"きっと大丈夫"と言う曲だった
歌詞にきっと大丈夫というフレーズがあり、
この曲を聞けば何でもうまくいくような気が
して悩んだ時、不安な時、落ち込んだ時に
聴くようになった
歌っている人達がどんな人かはあまり知らない
けど、NHKに出る有名歌手なのは知っている
乗り合わせた男性が私の肩をトントンと叩いた
顔をあげると、帽子を目深に被った若い人？で
警備会社に連絡がついて確認してもらってる
から、もう大丈夫だよって声をかけてくれた
から、怖くて怖くて仕方なくて、その男性に抱
きついてありがとうありがとうと涙で声になら
ない声でお礼を言った
男性は抱きつかれて驚いた様子だったけど、
私が落ち着くまで大丈夫だからと何度も声を
かけてくれた
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作成日時：2020年10月9日 23時
