B型男子にはご用心 snm

春望 ページ21

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若林さんに促されて工藝社の伏見さんとやらに挨拶へ
向かう


なんか、言ってるけど心はAの事が気になって
仕方ない


しばらく付き合ったら会場を抜け出そう…
そう心に決めて様子を伺う俺



しばらく談笑してると司会の挨拶が始まった


平野紫耀が登壇し、喜びと感謝を伝える


その様子を撮るのは康二


うん、非常にエモいわ


後で三人で写真撮っとこ



挨拶が終わったから紫耀の元へ向かおうとしたら



司会が「サプライズゲストが駆けつけてくれました」
と紹介して出てきたのは深澤辰哉

瞬間、Aの姿を探す

会場を出て、トイレやロビーを探すけどいない

「おい、どこいんだよ…」


イライラしながらAに電話をかける


何度目かのコールで出たA

「おい、Aどこにいんの？」と問うと

答えたのは男の声

「は？お前、誰？あ、さっきの会社の奴かっ」

「そうだけど」

「お前、Aに何もすんなよっ、今から迎えに…」

そこで途切れた電話

リダイアルしても機械音が無情に流れる

「くそっ」

その場にしゃがみこんだ

「どこに、いんだよA…」

焦っても見つかるわけもないのに、気持ちばかりが
急いていた


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深澤とAが別れ、FtB.のオープン予定だった
店の計画は流れた


その代わりFtB.はニューヨーク5thアベニューに
オープンすることになった


この話が纏まるまで、すんなり片付いた訳じゃない
俺も紫耀も康二も真っ向から反対した


でも、最後にAが「私はひらのんの作る服を
ニューヨーカーがカッコ良く着る姿を見たいし
辰哉の染めた黒を世界に発信したい！
私のワガママです、どうか許してください」って
泣きながら俺らに頭を何度も何度も下げるんだ


そんな姿を何も言わず拳を握りしめて見つめる深澤
にも、簡単に身を引くAにも何もかも納得
いかなかった


FtB.はアメリカ大手のアパレルブランドGOLDRUSHのバックアップを受けることが決まったていたんだ


向こうから提示されたのは深澤単独経営
まぁ、深澤が一人で試行錯誤しながらできたブランド
ってイメージがより、ブランドの高級感を引き立たせるとかなんとか…

ブランドイメージなんか知るかよ

結局、深澤はGOLDRUSHの資金力に迎合したんだ

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