紫のきみ ars MJ 2

シュガー ページ35

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玄関を開けたら甘い香りが漂っている
パタパタと玄関までやってきたA

「ただいま」

「お帰りなさい潤くん」

俺の後ろをボウルとホイッパーを持って付いてくる

手洗いうがいを済ませると向かい合ってキス
をする

「今日は何作るの？」

「チーズケーキ」

彼女は役作りのため今パテシエールの練習中
毎日楽しげにケーキを焼いたりクッキーを
作ったりしている

「潤くんショコラティエの役やったことあったよね？」

「ああ、ずいぶん前だよ」

「潤くんの作るスイーツ食べてみたい」

「もう覚えてないよ(笑)」

「なーんだ、残念」

「じゃあ、俺が後ろから手を持ってやるから
作ってみ？」

「え、何なに？二人羽織みたいじゃん(笑)」

「それいいじゃん、ほら手を動かして」

後ろからAの手を持ってホイッパーを
回すと顔にクリームが飛んだ

「わー！クリームがほら(笑)
潤くん汚れちゃうよ〜」

「Aから甘い匂いがする」と頬に飛んだ
クリームを唇で拭う

「ん…」くすぐったそうに頚をかしげるA

「ほら、ちゃんと混ぜなきゃ」首筋に舌を
這わせる

「や…ん」何とも色っぽい声音

「俺はチーズケーキよりAを食べたいな〜」

「ダメ、これ作らなきゃ…」

「ダメって顔してないよ」

「潤くんのイケズ」

「イケズ？って何？」

「教えない…」俺の首に手をかけてキスをねだる

「いつの間におねだりなんて覚えたの？」

はぁ、と吐息が漏れる

「はい、ケーキ作りは一端休息…」
ボウルとホイッパーは冷蔵庫へ仕舞い
ひょいっと抱きかかえて寝室へ連れていく

「ちょっと、潤くん！」

「ホラホラ、暴れたら落としちゃうよ(笑)」

そうは言いながらも寝室のドアを開けてくれた
A

まるで歌詞のまんまだな···


甘い香りに誘われるまま理性溶かしてくよシュガー

甘い夜を過ごした

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