紫のきみ ars MJ 2

千客万来 ページ25

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いよいよAの舞台の幕が上がる

生憎と初日は終日撮影で行くことができない

メンバーと相談してスタンド花を出すことにした

それほど大きな劇場ではないけれど
連日満員御礼千客万来のようだ

Aの舞台が決まった時から全日チケットを
手配していた

自分が行けない日は後輩や友だちにチケットを
譲り観に行ってもらう

見終わった感想をくれる、後輩や友人は称賛を
口にする

それをきくと行くのが楽しみなのと
観に行けなかった歯がゆさが同時に沸き起こる

そしてようやく観にこれた日

Aには俺が行く事は伝えていない

Aの役は主人公に裏切られ悲しみ心を病み
最後は死んでしまう

可憐な少女が愛しい男に蔑みの言葉を浴びせられ絶望して死に行く姿には可憐さは欠片も
なくなりそこにはただの女の姿が哀れで
涙を誘う

俺はAがひたむきに努力をしていたのを
みていたから、この舞台の完成度の高さは
頷けるし、評価されるべき作品だと思った

観るものを惹き付けて放さない魅力が愛流と
いう女優にはあり、俺は初舞台のときから
愛流に惹かれていたんだと気がついた

そう思うとAといま、一緒に居れること
にも感慨深いものが込み上げてくるし
他のヤツに盗られないでよかったと
独占欲が顔をだす

一回りも歳が離れているから、表面上は
大人の振りをするけれど一皮剥けば嫉妬心と
独占欲の塊だ

いよいよ明日は千秋楽無事に終えることを
祈るばかりだ

今回の大河と舞台をやりきった愛流の評価は
上がりまた忙しくなるんだろう

そうおもうと嬉しいのに寂しくなった

明日が終わればしばらく休みになると言っていた

ここ数週間分のA不足をしっかり回収しよ
うと心に決めた(笑)

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