紫のきみ ars MJ

誤解 ページ45

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楽屋挨拶をさっさと済ませ、隆行に料亭を紹介
してもらい予約を頼む

「初めまして、愛流さん今日はわざわざ
お越し下さりありがとうございます」

「初めまして、今日は大変素敵なお席をご用意
下さりありがとうございます
たいへん、勉強になりました」

「ははは、そんな構えずに気楽に観てください
よ(笑)」

「他の演目も観てみたいし、また必ず来ます」

「潤に言えばいつでもお席を用意しますよ」

「とんでもないです！次はちゃんとチケット
買って観に来ます」

「ははは、ありがとう楽しみにしてますよ
その時は一人で来てね、そしたらデートに
誘うから(笑)」

「おいっ」

「じゃあな、潤、Aさんまたね」

後で隆行からAちゃんって愛流さんの
事だったんだな(笑)まあ、がんばれよって
メッセージが届いた

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紹介してもらった料亭は静かな佇まいで
細い路地を通り抜けたら入り口のある
知らなきゃ入って来れない場所だった

後で聞いたら、一見さんお断りなんだそうだ

「こういうお店に来るの初めてで緊張します」

「うん、俺も初めて来たよ」

「そうなんですか？慣れてらっしゃるし
お店の方ともスムーズに対応なさるから
そんな風にみえないですよ」

「隆行に頼んでおいたからだよ(笑)
緊張してるよ、緊張取るためにもちょっと
飲もうか」

「はい(笑)」

軽く飲みながら、昨日の話をしたりして
なかなか本題に入れない俺

ぐいっと酒をひっかけ意を決する

「Aちゃん、翔さんと付き合ってるの？」

眼をぱちくりして一瞬考えるAちゃん

「あの？私が櫻井さんとですか？」

「うん」

「な、ないですよ！そんなこと」慌て否定してる…なら、

「じゃあ好きなの？」

「えー！！や、尊敬してますし、好きですけど
恋愛とかそんな事は···えっ？な、なんで
そんな事を聞くんですか？何か問題ありました？」

「や、前にさ、翔さんの記事出た時
Aちゃん泣いてたよね？」

「櫻井さんの記事？何の記事だろ？」

ん？おかしいぞ、話が噛み合わない…

「映画の撮影中に出た恋愛記事だけど···」

「映画の撮影中？あっ！や、あれはちがくて」

実は─と話してくれたのは
長年実家で飼っていた老猫が亡くなった
知らせをあの時受けたらしくてそれで
我慢出来なくて泣いてたらしい

そしてもうひとつ気になってたLINEは
俺の誕生日プレゼントに悩んで翔さんに
相談したんだそうだ
まずは一安心だ

勝負→←粋な計らい

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