言えぬ想い ページ12
·
·
仕事が立て込んで、アトリエでも線を引かないと間に合わなくなってきた
だから、最近は製図机に向かう事が多いけど、
大野さんは私が仕事をしている時は話しかけてこないし、(まあ日頃、自分からべらべら
話す事はないけれど)会社より集中できて捗るのよね
一件、終わらせた所でコーヒーを淹れに席を立つと大野さんはキャンバスの前に座っていた
何となく彼を見ていたくてその背中をコーヒー飲みながら眺めていた
後ろから見ていても彼が苦しんでいるように
みえた
何を苦しんでるんだろう？スランプなのかな
そう言う風には見えないけど…
コーヒーを飲み終わる頃彼が振り向いた
「ありゃ？いつからそこにいたの？」
「コーヒー飲んでる時間」
「仕事は？」
「ん終わったよ、すごく集中できて捗るから
助かるよ」
「そう、ねぇAちょっと酒飲まない？」
「ん、いいよ、急ぎの仕事は片付いたから」
「じゃ、用意するわ」
「私、あっち先に片付けてきてもいい？」
「いいよ、出来たら呼ぶわ」
「ありがとう」
·
ハイボールとナッツをお皿に盛って、さきいかとか乾きものが机に出ていた
「何か作る？」
「んーん、今はこれでいいよ」
「しゃあ飲もっか…」「「かんぱい」」
それから一言も発せず、黙々とお酒とナッツを
口に運ぶ
ナッツの塩気がお酒をより誘う
あっと言うまに1杯空けてしまった
彼は、黙って２杯目を作って渡してくれた
「ありがとう」
「ん」彼の顔を見ると、すこし泣きそうな顔に
みえたから思いきって聞いてみる
「大野さん…仕事で何かあったの？
辛そうな顔してるけど」
「····」
「言いたくないなら無理には聞かないよ
だけど、キャンバスに向かう背中は泣いていた
よ…心は自由になりたがってるのに閉じ込め
られてるみたい…」
「···」
「ははは、ごめん！よく分かんないのに
余計な事言ったわ
さて、先にお風呂行ってこよかな」
立ち上がり、グラスを下げようと席をたつと
彼に手首を捕まれて
いきなり激しくキスをされた
戸惑いながらも受けていると、ただ快楽に流さ
れたくなっていつの間にか私も彼を求めていた
彼は、夢中で何も考えたく無いのか一心不乱に
私を突き上げてくる
何かを忘れたいのかな……次々押し寄せる快楽を
感じながら頭の片隅にそんな思いが残る
彼は、いろんな思いを私の中に吐き出した
終わって「ごめん···」って呟いた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 426人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ピカンチ★(プロフ) - イチさん» こんばんは、はじめまして。何かに没頭してるんじゃないでしょうか…でも一人きりじゃ寂しいので傍らには愛しい人がいてくれたらいいなって思います。そしていつかまたあの素敵な歌声と華麗なダンスをみせてくれるはずです。ありがとう (2021年3月17日 0時) (
レス) id: a7de005ec5 (このIDを非表示/違反報告)
イチ(プロフ) - はじめまして。実際の彼も、今こんな風に自由に楽しく暮らせていたらいいなぁと思いながら読ませてもらいました！ (2021年3月17日 0時) (レス) id: 9e72143338 (このIDを非表示/違反報告)
ピカンチ★(プロフ) - keiさん» この前ツイートで完結に向けて書いてるって言ってましたよ！嬉しいね、どっち選ぶんだろうね、わくわく (2021年3月16日 17時) (レス) id: dc78d9130f (このIDを非表示/違反報告)
kei(プロフ) - 私は彼女のお話はどれも好きですがみんな誰かの・・が一番好きですね＾＾続きが気になりますがおとなしく待ってるところです♪ (2021年3月16日 16時) (レス) id: 986a434f3d (このIDを非表示/違反報告)
kei(プロフ) - こんにちは♪時間軸って書き進めれば進めるほど大変になりますよね。おおよそでいいと思います♪はるのさんの作品好きです〜！５人に愛されるのって恋の・・でしたか♪別の方の作品かと思ったけどお山って書いてあったので違うなって思ってました。 (2021年3月16日 16時) (レス) id: 986a434f3d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作成日時：2021年2月20日 7時
