来る者拒まず去るもの追わず【完】 (ページ23)

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betting -22- Memory of the past ページ23

-YGside-

その後、急いで医師を呼んで、

Aを診てもらった。

だが、その医師から放たれた言葉は俺の想像を絶する、ドラマよりも酷いものだった。

DR(doctor)｢Aさんは、頭を強く打ったせいで、かなり記憶を失っています。

失った記憶は、まず、ここ数年の全てです。

まあ、この辺は彼女が辛かった時の記憶なのでたいして支障は出ないでしょう。

ですが、問題はこれからです。

問題と言ってもAさんにとっての問題ではなく、

周りの皆さんの問題だと思われます。

恐らく、彼女が覚えているのは"出来事"のみでしょう。

分かりやすく言いますと、

運動会があったとします。

Aさんは、もし、徒競走で一位になったとしてもそれを覚えていません。

運動会に参加した。ということしか覚えていないのです。

なので、性格もかなり変わっていることが予想されますし、馴れるのはかなりの時間が必要です。

あと、いつ記憶が戻るかは分かりません。

明日戻るかもしれないし、１年後に戻るかもしれない。

その点はハッキリとは分かりません。

ですが、ひとつ分かることは一生戻らないこともある。という事です。｣

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