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暖かな願いと冷ややかな現実其のニ ページ21

驚きの余り目を見開く少年こうの表情も驚愕と困惑が入り交じっている周囲の様子も、何故か笑みを深くし楽しげな太宰も何も目に入らない様で、少女は続ける。

「・・・駄目です・・・そのウソのせいで・・貴方はウソつきになって仕舞い、そのお店の人は何もしていないのに悪者にされて仕舞います。」

俯きがちに話しているせいか、その表情は周囲の人達はおろか少年こうにも影が掛かり見えなかった。そこで言葉を切り初めて彼女はこうの目を見て言葉を発した。

「同じ様な事を貴方もされたら、嫌でしょう?
人を悪者にして仕舞う様な・・・そんな嘘ついちゃ駄目です!!
__付かないで下さい。」

切羽詰まった様な懇願する様な声と鬼気迫る必死で哀しげな表情の彼女を見るこうの表情は泣きそうであった。

驚きから脱却した国木田が怪訝そうに周りの思いを指摘し出す。

国「おい、小娘。まだその小僧がウソを付いていると決まった訳では・・・」

その声に被せる様にこうがポロポロと泣き始め

こう「ご、ごめんなさい〜〜」

結果、泣き乍謝った。

当然その場には驚きの声が上がる。大将が漸く意味を理解し始めたのか怒鳴り散らす。

大将「なっ・・・!!こう、手前(おまえ)!!本当にちょろまかしてやがったのか!?」

女将「未だ他にもお客さんもいらっしゃるし」

などと言い大将を宥める。そこで漸く、ハッ!とした様子で我に返ったA。

大体の者が何とも言い難い居心地悪い空気に呑まれている中で、口も出さずに傍観していた何時も通りの笑みを浮かべた太宰が動いた。

太「おかみさんー、動物好き?特に猫とか?」

太宰のその一言により、先程まであった空気は霧散。やや、間が有り

女将「・・・えぇ、好きですね。」

国「それは今必要な話なのか!?、太宰!!」

女将さんの返答と国木田の突っ込みが返ってくる。
国木田をあしらいつつ、目を丸くしている大将にも同様の質問を投げ掛け答えはYES。

太宰の質問のせいで消えていった空気感は復活し、こうは大将に怒られ乍拳骨を貰っていた。

こうの泣き声と大将の怒りの声が混ざり合い、事態を一旦鎮静化させ様としている面々等にAは頭を下げた。

「あの・・・、ごめんなさいっ、私っ・・・」

(何をやっているんだ、私!!)

自責の念に駆られ謝った後、

(この力のせいで人に迷惑を掛けるのは嫌なのに・・・)

俯きがちに過去の出来事が脳裏にチラつき言葉を続ける。

「・・・私、お暇します。御馳走様でした。」

漸く動く→←暖かな願いと冷ややかな現実



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宵闇の猫(プロフ) - あぁ、すみません!!ご指摘ありがとうございます!!外しておきました。応援ありがとうございます!!これを励みに頑張らせて頂きます!(`・∀・´) (2018年7月28日 21時) (レス) id: c4a0eba83f (このIDを非表示/違反報告)
赤菊 藍(プロフ) - オリジナルフラグ外さないといけないので外してください。それと、面白そうな小説ですね。応援しています。 (2018年7月28日 13時) (レス) id: ebdd3cef6b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:宵闇の猫 | 作成日時:2018年7月28日 13時

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