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か弱い ページ5
『ねぇ…そろそろ手を離してくれてもいいのでは？』
認めたくはないが、冴ちゃんは顔がいい。
こんな近くで見つめられると恥ずかしいのだ。
『さ、冴ちゃん？』
「A、お前何かあったのか？」
『…いや、ないよ…冴ちゃんがキャンセルしたこと以外』
「なんだ嫌味か？随分生意気になったなお前」
『どこかの誰かさんに言われる筋合いはないですぅ』
焦った。逆ナンのことで落ち込んでたのが顔に出ていたのだろうか。
「俺のことを俺に言ったってどうこうするつもりはないが、他に何かあるならいつだって相談に乗ってやる」
やっぱり勝手で上からだけど、冴ちゃんはいつだって自分を"か弱い女の子"にしてくれる。
そういうトコはキライじゃないんだよな。
『するつもりはない、じゃなくて、言われたら変える努力をしろ』
「……」
無視された。
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作者名：顎太丸 | 作成日時：2023年1月2日 11時
